『デューラー　ネーデルラント旅日記』　前川誠郎／訳　（岩波文庫） 1520年7月、北方ルネサンスの巨匠、アルブレヒト・デューラーは妻を伴ってニュルンベルクからネーデルラントへ出発した。本書はそれから一年にわたる長旅をデュ […]

『墜落のある風景』　マイケル・フレイン著／山本やよい訳　（創元推理文庫） 哲学者のマーティン・クレイは、専門を哲学から美術へと変更しようと目論んでいる最中だ。 彼は田舎にこもって美術の著作に励もうと、既に美術史家として名 […]

『ダナエ』　藤原伊織　（文芸春秋） 画家の宇佐美は、個展の最中に絶賛されていた肖像画を何者かにナイフで切り裂かれ、硫酸をかけられてしまった。 その手口は、かつてエルミタージュ美術館でレンブラントの《ダナエ》に起こった悲劇 […]

『失われた弥勒の手　安曇野伝説』　松本猛・菊池恩恵　（講談社）　 ある日、波多野渉は安曇野警察から疎遠にしていた父親の死を告げられる。 遺体の傍に落ちていた手帳には「筑紫の君」「八面大王」「観松院」などの文字が記されてい […]

　　　 『花と火の帝　上下』　隆慶一郎　（講談社文庫） 徳川家康、秀忠の徳川幕府は朝廷に畏れを抱きつつも、その力を弱体化させるべく様々な陰謀をめぐらせていた。 その中にあって弱冠16歳の若さで即位し、時に苦渋の選択もしな […]

『江戸の二十四時間』　林美一　（河出文庫） 江戸の24時間は日の出と日の入りが基準になる。日の出（明六ツ）の夜明けから日の入り（暮六ツ）の日暮までが昼、日の入りの日暮から翌日の日の出までが夜になる。 そして昼と夜とをそれ […]

『日本社会の歴史　上・中・下』　網野善彦　（岩波新書） 日本史というと、朝廷のあった京都周辺や幕府が開かれた鎌倉、江戸あたりが中心で、そこで繰り広げられる権力闘争や戦乱がまず思い出される。 しかし本書を読むと、当たり前の […]

『悪党芭蕉』　嵐山光三郎　（新潮文庫）　 風流、枯淡の人だと思っていた芭蕉を「悪党」呼ばわりとは!? そう思って以前から気になっていた本だったが、これが目から鱗の内容で実に面白かった。 没後まもなくして芭蕉は奉られて、句 […]

『すべての終わりの始まり』　キャロル・エムシュウィラー／著　畔柳和代／訳　（国書刊行会） 表題作を含む19短編と女性SF作家の大会でのスピーチを収録。 友人がチラリと漏らした話が面白そうだったので、読んでみることにしたが […]

『名もなき毒』　宮部みゆき　（幻冬舎） 毒とは一体なんだろう? 飲めばすぐ死ぬ毒薬もあれば、人の欲や悪意、嫉妬や猜疑心といった毒もあるだろう。 人はどんなに普通に暮らしていても、知らぬ間に様々な毒を被る危険があるのかもし […]