[作品] 《アマリリス‘アフロディーテ’ 》

描いていたアマリリス‘アフロディーテ’ が完成しました。

アフロディーテはギリシア神話の愛と美の女神で、このゴージャスな八重のアマリリスにぴったりの名前かなと思います。毎年手入れは殆どしていませんが大抵咲いてくれるので、その強さも魅力です。

さて、新しく作品を描き始める時は先ずモチーフ全体をよく見て構図などを考えます。その時この部分は難しそうだ、ここの描き方は迷うな、などと引っ掛かった箇所は個人的には最後までうまくいかないことがよくあります。気になる点を完全に解決してから始めれば良いのですが、つい詰めが甘く、見切り発車しては失敗し痛い目に遭ってます。

程性懲りもなく繰り返すので、しまいには失敗をいかにそう見せないかも大切な課題だな、なんてちょっと開き直ってます。予定どおりに行かなくても、何かしら予定を超えたものが得られればそれも良いことかなと思います。言い訳でしょうかね。

                              アマリリス‘アフロディーテ’( 部分)

アマリリスは花が咲く時はあまり葉が伸びていないものも多いですが、これはいつも葉が大分伸びてから花が咲きます。葉は長く真横に伸びていて画面に入りきらないので、どのような角度で葉を入れるか苦労しました。そこが最初から気になる点で最後まで思うようには描けませんでした。彩色段階でも何度も直したので仕上がりはすっきりとは言えません。

また、地上部だけでななく地下の球根と根を掘り上げて描くべきかも迷いました。球根は大きくてそれはそれで描きたくなるような面白さがあります。アマリリスは背丈があるので途中で花茎を切って短くし、葉と球根・根は別に描いて組み合わせる構図(植物の全部のパーツをバランスよく画面の中に入れる)もよくありますが、今回はあまり説明図的なものではなく、花をメインに普通にドーンと咲いている様子が描きたかったので地上部だけにしてみました。

花茎というのは花だけが付いている茎のことです。スイセンとかタンポポなどがそうですね。アマリリスの花茎は葉とは色も質感も大分違います。うっすら粉をふいて白っぽい色で、生えてきた時から「これは特別」ってオーラ出しています。

今、わが家のアフロディーテは花はとうに枯れ、花茎は根元からすっかりなくなっていますが、葉は夏の光を浴び過酷なベランダで元気に生育中です。

作品はこちら→《アマリリス‘アフロディーテ’ 》

[作品] 《アマリリス‘アフロディーテ’ 》” に対して4件のコメントがあります。

  1. kyou より:

    丁寧なコメントありがとうございます。
    おっしゃるように説明図的にするか、審美的な鑑賞に重きを置くかで同じモチーフでも大分違いますよね。
    自分がモチーフのどこに強く惹かれたかを、見てくれた方にも伝わるような表現が出来たらといつも思って描いています。
    ワインさんもモチーフ選びには苦労されていると思いますが、つくづく「すごく描きたい!」と思う植物との出会いが大切なのだなと思います。求めよさらば与えられん、でしょうかね。

  2. ワイン より:

    アマリリス、大きくて存在感のあるモデルですね。アフロディーテという品種なのですね!すてきな名前です。
    kyouさんのおっしゃるように、葉があらぬ方向を向いて伸びている植物ってたくさんありますよね。クリスマスローズなども、構図をどうしたものかといつだって迷ってしまいます。葉があまりにも野性味ありすぎて・・・アマリリスの場合、やはりなんといってもこんなにゴージャスな花なのだから、これを主人公に描きたくなると思います。植物画って、説明図的に描くのか、それとも絵画として鑑賞するための絵にするのか、最初からはっきり決めて描かないと中途半端になってしまう面があるなと感じます。花も球根もどちらも存在感が大きいアマリリスのようなモデルだと、どちらも描きたくなってしまいそう。きっぱりと今回は花を、と選択されたkyouさん、潔いです。いつもすばらしい作品を拝見させていただき、ありがとうございます。

  3. kyou より:

    どうもありがとうございます。球根や根もいつか描いてみたいと思います。
    かなり大きな作品に取り組まれているんですね、大きいと細密描写をいつもよりさらに忍耐強く続けないと画面が埋まりませんよね。
    気力体力使います、どうぞ頑張ってください。

  4. i良い絵ですよね、大変美しいやはり球根や根を見たいです。
    今ロール横幅いっぱいの長い絵を描き始めています、大きな絵は大変です。
    しかし何時も見事に完成しているので感心します。

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