[作品] 《パフィオペディルム・べナスタム》
先日から描いていたラン科のパフィオペディルム(パフィオペディラム)・べナスタムが仕上がりました。
属名のパフィオペディルムは、アフロディーテの神殿のあったキプロスのPaphos(パフォス)とギリシア語のpedilon(スリッパ)の2語によって唇弁の形を表したものだそうです。
パフォス近郊の海岸は、ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》で有名な貝殻に乗ったヴィーナス(=アフロディーテ)が辿り着いた場所とされています。
《パフィオペディルム・べナスタム》部分
パフィオペディルム(以下パフィオと略します)は、手前に突き出た袋状の唇弁、横に伸びた2枚の花弁、唇弁後ろに下萼片、花弁の上に背萼片という作りになっています。
ランは雄しべ(雄蕊)と雌しべ(雌蕊)が合体して蕊柱(ずいちゅう)という器官になっていますが、パフィオはその形も他と違っています。唇弁の上に出て見えるのが仮雄蕊(スタミノード)、少し見え辛いのですが仮雄蕊の奥、両脇にポチンと付いているのが葯で粘っこい花粉塊があります。
また、外からは唇弁が閉じていて見えないのですが、仮雄蕊の下には雌蕊の先端の柱頭があります。
今回描いた構図は、一株のパフィオを前と後ろから見たものになっています。後ろから見ても唇弁の形や花弁のカーブが面白かったので入れたいと思いました。
葉の表は斑入りになっていて、裏は濃い紫色の点模様になっています。こちらも描くのが難しく仕上がりは課題が残りました。
前後で重なった部分は彩色するとうるさくなりそうだったので鉛筆仕上げになっています。
教室がずっとお休みで皆様どうされているでしょう?こんな時ですからいつもどおり描けないという方、こんな時だから描きたいという方、ホント悩ましい毎日で心身ともに健康でいるのも一苦労だと感じています。
気持ちも沈みがちですが、いつもと同じに咲く花や美しい新緑を見ると、今は静かに自分ができることをするしかないなと思います。
作品はこちら→《パフィオペディルム・べナスタム》
“[作品] 《パフィオペディルム・べナスタム》” に対して6件のコメントがあります。
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どうもありがとうございます。
なかなか花の構造が分からなかったので、ラフデッサンで色々な方向から描いたりしました。
パフィオは面白いのでまた描いてみたいです。
花の付き方など、前からでは分からないので、
後ろ姿をこのように描き足すと、よりその植物の形態が良く分かりますね。
同じ植物を2方向から描くとその配置がとても難しいように思いますが、
バランスとく配置されて、
重なり部分を鉛筆デッサンにするなど、
とても工夫され描かれていて、kyouさんらしい仕上がりなっていてとても素敵です。
>ワインさん
いつも見てくださって有難うございます。
>見れば見るほどパフィオって面白い形をしていますね。
本当にそうですね。パフィオの中でも色々な種類があって、それぞれまた形が違っているようです。
>コロナコロナとそればかり考えていると、必要以上に疲れてしまうので、気持ちをもっとちがうところへ持っていく努力をしないといけないなと、最近強く感じます。
おっしゃるとおりですね、気持ちから崩れていきそうです。心身ともに健やかである大切さが身に沁みます。お互いに元気で乗り切りたいですね。
見れば見るほどパフィオって面白い形をしていますね。前から見た姿だけでなく、後ろから見た姿も描かれたところが、花の理解にはよい助けになっていると思いました。
コロナコロナとそればかり考えていると、必要以上に疲れてしまうので、気持ちをもっとちがうところへ持っていく努力をしないといけないなと、最近強く感じます。いつか必ず終息し、再びおちついて植物画やそのほかのことに取り組めるようになると思うし、そうなるまでの辛抱かなとも思います。
>ゴンベッサさん
こちらこそ、ランについて色々教えていただきありがとうございました。
また教えていただくこともあると思いますので、その時はよろしくお願いしますm(__)m
いや~、私はそんな変わったものは描けそうにありませんよ。
昨今なかなか集中し辛いのですが、お互いに健康でいたいものですね。ゴンベッサさんの作品を楽しみにしています。
流石ですね、勉強になりました。
蘭の事調べるのも凄いし、本当に良く観察して描いているのが分かります。
らんには面白い花が沢山あるので色々描いてください
それでも手に入れて描くのが大変、原種の変わったのは特に
手に入らないので難しいかも。