「上海と横浜波濤をこえて」

 今回もノスタルジックなポスターやチラシに誘われて、横浜開港資料館で開催中の「上海と横浜波濤をこえて―夢・汗・涙が都市をむすぶ」を見て来ました。

 

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入口から入るとハマの歴史の生き証人、たまくすの木(写真では根元しか撮れてないけれど(^_^;) が迎えてくれます。いつ来てもそこにある木というのは有難いものだな、と思ったりします。

手前に置かれている「ペリー提督横浜上陸の図」の中でも右側に「たまくす木」が描かれています。

 

企画展の内容は、開港期から昭和初期まで、上海と横浜二つの港湾都市の産業や文化の交流を写真や文献、縁の品々で辿ってゆくものでした。

印象に残ったのは、横浜で活躍した上海の中国人技術者の存在で、特に洋裁(テーラー)とピアノ製造についての歴史は重みがありました。

貴重なピアノの展示もあった「周ピアノ」は、周親子が横浜で製造していたブランドですが、今は絶え全国に数台しか残っていないそうです。 テーラー(紳士服仕立)の張一族は現在も横浜でお店を営んでいるそうで、当時使われていたカーブ尺や角尺など、使い込まれた道具に忍耐強い職人仕事を感じました。

もう一つ、興味深かったのは「レイ婦人の世界一周旅行記」(1881~1882年)で、こちらは裕福なご婦人が作られたものなのでしょう、冊子に文章が書かれ、それに丁寧に絵が貼り付けられていました。見開きになっているページ以外にはどんな絵が書かれいるのか、とても見てみたい気がしました。

他にも士官が描いた絵や、一般の人が描いた絵は興味深いものがありました。

展示されている細々としたものに「正に物に歴史ありだな」などと感じました。私は漠然と感じる程度ですが、このあたりの歴史に詳しい方はもっと突っ込んで見ることが出来る展示ではないかと思いました。

 

そんなゆるい私ですが、資料館の展示を見た後は必ず入口のところにある絵葉書を見ます。レトロ感満載の絵葉書たちには、つい手が出てしまいます。

買った絵葉書を入れてくれる模様入り茶封筒も良い感じでしょ。

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外国で販売された日本茶の商標(サフラン):横浜開港資料館蔵

 

日本茶なのに、まるで紅茶か何かのような洋風なデザインがきれいです。広瀬始親氏(追悼写真パネル展開催中!)の撮った、昭和20年代の大桟橋に外人さんとダルメシアン犬の写っている絵葉書なども買って、資料館を後にしました。

 

横浜開港資料館

 

 

「上海と横浜波濤をこえて」” に対して3件のコメントがあります。

  1. kyou2 より:

    >みちこさん
    > モノって、あっけないほど消滅してしまうことも多いのですが、残ってくれると、これほど確かな生き証人はないんですよね。
    そうですね。それを発掘して保管するのが大変。また、何を残すか取捨選択するのも責任重大な仕事だと思いましたね。

    > 家計簿一袋のこより(当時のその武士がよったもの)をほどく瞬間、いいしれぬ感動を覚えたそうです。
    なるほど、こよりは尚更でしょうね。なんだか怖いくらいの感触があるんじゃないでしょうか。

  2. みちこ より:

    展示されている細々としたものに「正に物に歴史ありだな」などと感じました。

    とのことで、本当に、モノって、あっけないほど消滅してしまうことも多いのですが、残ってくれると、これほど確かな生き証人はないんですよね。
    しばらく前に映画化された武士の家計簿という本も、古本屋で見つけたある下級藩士の家計簿をじっくり読んで、生活がわかった、という面白い本でした。
    一般庶民の暮らしぶりや、考え方が、生き生きと残っているものを見ると、その人と、まさに時を超えて繋がっているような感覚を味わいます。
    武士の家計簿の著者も、丁寧に包まれた家計簿一袋のこより(当時のその武士がよったもの)をほどく瞬間、いいしれぬ感動を覚えたそうです。

  3. ワイン より:

    いつものkyouさんの日記に登場する展覧会とは、すこし毛色が変わった展覧会を御覧になったんですね。
    横浜開港記念館は、このまえバロックのコンサートが開かれて、そのときに初めて中に入りました。歴史を感じる重厚な作りですね。明治時代の最先端の流行を取り入れた建築というのはあんなふうなのかなと・・当時の横浜の活気を想像しました。
    外国で販売された日本茶が『サフラン』という商標名だったのはなぜなのかしら?レトロでちょっと洋風で、なんともすてきなパッケージですね。

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