擬人化された花
『花の幻想』 タクシル・ドロール著/J.-J.グランヴィル画/谷川かおる訳 (八坂書房)
グランヴィルは19世紀半ばに活躍したフランスの挿絵画家、風刺画家だ。
本書は擬人化されたそれぞれの花の絵に、お話が付いたものといった感じだろうか。
「レ・フルール・アニメ」の抄訳だが、図版は全て収録されているとのこと、ありがたいことだ。
ある日、花の妖精が治める国の花たちが反乱を起こす。花であることに飽き飽きしたので、人間になりたいと言い出すのだ。
妖精は望みを叶え、花たちは人間に変身する。人間に変身した彼女たち、さてどのような顛末になるのやら・・
一つ一つの話はエスプリに富んでいて、小粋な感じだ。
ヤグルマソウとヒナゲシは共に牛飼いの娘に、ユリはフランス王妃に、また毒殺された人の陰にはドクニンジンの姿があったり・・とその花に相応しいエピソードが綴られる。
しかし、何と言っても絵がメインなので、読むというより、可憐で美しく変身した花たちの姿を眺めるのが楽しい。
グランヴィルの作品が載っているサイトがあまりないので残念。
以下のサイトは販売のためのお店だけれど、本書に載っていた作品の一部があった。
“擬人化された花” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。
kyouさんは花になるなら何の花?
私の好きな花はみんな、人間になったら女中とか農家の娘とかが似合いそうな花ばかり。スミレやたんぽぽや、ほたるぶくろ・・etc.
でも自分が花になるなら、木に咲く花がいいな。りんごとかなしとか、ノイバラとかね。あ、そうそう忘れてならないのはアーモンド!