擬人化された花

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ISBN:4896946316

『花の幻想』 タクシル・ドロール著/J.-J.グランヴィル画/谷川かおる訳 (八坂書房)

グランヴィルは19世紀半ばに活躍したフランスの挿絵画家、風刺画家だ。

本書は擬人化されたそれぞれの花の絵に、お話が付いたものといった感じだろうか。

「レ・フルール・アニメ」の抄訳だが、図版は全て収録されているとのこと、ありがたいことだ。

ある日、花の妖精が治める国の花たちが反乱を起こす。花であることに飽き飽きしたので、人間になりたいと言い出すのだ。

妖精は望みを叶え、花たちは人間に変身する。人間に変身した彼女たち、さてどのような顛末になるのやら・・

一つ一つの話はエスプリに富んでいて、小粋な感じだ。

ヤグルマソウとヒナゲシは共に牛飼いの娘に、ユリはフランス王妃に、また毒殺された人の陰にはドクニンジンの姿があったり・・とその花に相応しいエピソードが綴られる。

しかし、何と言っても絵がメインなので、読むというより、可憐で美しく変身した花たちの姿を眺めるのが楽しい。

グランヴィルの作品が載っているサイトがあまりないので残念。

以下のサイトは販売のためのお店だけれど、本書に載っていた作品の一部があった。

http://www.aria-indigo.com/print/etc/gfa/

擬人化された花” に対して1件のコメントがあります。

  1. ワインちゃん より:

    kyouさんは花になるなら何の花?
    私の好きな花はみんな、人間になったら女中とか農家の娘とかが似合いそうな花ばかり。スミレやたんぽぽや、ほたるぶくろ・・etc.
    でも自分が花になるなら、木に咲く花がいいな。りんごとかなしとか、ノイバラとかね。あ、そうそう忘れてならないのはアーモンド!

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