《グロリオサ》
グロリオサ(イヌサフラン科 グロリオサ属)の球根をいただき「これは描きたい!」と思って大切に育てていました。
切り花でよく見かける花ですが、切り花だと雄しべの葯がとれていたり、茎の葉が切り取られているものも多いので、球根から育てられるのは有り難いことです。
グロリオサの蕾は花弁が最初下向きで、咲き始めるとだんだん花弁が上に反りかえっていきます、シクラメンと同じですね。最後は炎が揺らめいているような感じになります。英名でFlame Lilyと呼ばれているのも納得です。和名のキツネユリも雄しべがヒゲに見えなくもないですね。
《グロリオサ》花
偶然ですが、別の方からも同じ種類のグロリオサの「実」をいただけることになり、珍しいのでこれも一緒に画面に入れることにしました。花が咲いている時も、子房から雌しべが一本出ているのは目を惹きますが、受精するとその子房がピーマンのように成長していきます。
実のデッサンを終えた段階で写真も撮っておき、後は花を粗方描き終えてから構図を決めようと、実を棚に置いてすっかり忘れていました。
さて、実を画面に入れようとレイアウトなど考えている時、もう枯れて腐っているだろうと何気なく実を見てみると、なんと鮮やかな種が出現していました。これは天恵、描き入れるしかありません!
《グロリオサ》実・種
今回は葉を一部鉛筆で仕上げることにしました。理由は全部彩色すると少々五月蠅く思われたのと、花の咲き始めの部分が細かいので葉の色と重なると不明瞭になりそうだったからです。
作品はこちら→《グロリオサ》
“ 《グロリオサ》” に対して4件のコメントがあります。
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>ゴンベッサさん
幸運が重なって描くことが出来ました。そういう時が一番嬉しいし、楽しいですね。
色々な要素を入れるときは構図に悩みますね。それも楽しいのですが。
咲き始め雌しべがピュと先に広がるのですね、まさに炎の花
狐の顔にも見えて描きたくなる気持ちが凄く分かります。
ましてタネが手に入るなど描きなさいと押されて居る様な物
すごくすてきな絵です、構図も素晴らしいく参考に成ります。
きよぴーさん
実がなるのは私も初めて知りました。育てたものには上手く生らなかったのですが、同じ種類の実をもらえたのがラッキーでした。
>咲き始めたばかりの花もあり、実もあり、グロリオサとはこういう植物なんだということがよく分かりました。
有難うございます。個別に蕾も入れようかと思いましたが良い場所がなく…、また咲き始めのところを蕾にするとちょっと寂しいような感じだったものですから。でも、面白いモチーフなのでまた描いてみたい気もしました。
グロリオサ、ご自身で育てられたんですね。
その花本来の姿を観察するためには、
やはり自分で育てるのが一番ですね。
切り花でしか見たことがない花なので、
ピーマンのような実が成るなんて、初めて知りました。
その中から真っ赤な種が出てくるなんて、これはまさしく天恵ですね。
咲き始めたばかりの花もあり、実もあり、グロリオサとはこういう植物なんだということがよく分かりました。
これぞ植物画という要素がしっかり、そしてすっきりした構成で描かれて、素晴らしいです。