《ヤブツバキ》
ヤブツバキ(ツバキ)を一輪描きました。
ツバキというと日本的で額もそれに合わせた感じですが、今回はリメイクした八角形の額に入れてちょっと洋風にまとめました。
額はこの前作ったアンティーク風なものではなく新しいものです。画像は白っぽいのですが、白い額にさらりと薄い緑色を塗ったものです。この前作ったものは凝りすぎてなんだか煩く、見れば見るほど絵が負けている感じなんです(ToT)
さて、ツバキはツバキ科ツバキ属ですが、同じツバキ属のサザンカとは見分けが難しいことはご存じのとおり。
一番見分け易いところでは、花が散るときに花弁や雄しべがくっついたままでポトリと落ちるのがツバキ、花弁がパラパラと落ちるのがサザンカです。
また、雄しべが根本から半分くらいのところで合着し、筒状になっているのがツバキ、雄しべが根本だけ合着して一本ずつ開いているのがサザンカです。さらに雌しべの基部の子房が無毛なのがツバキ、毛があるのがサザンカになります。
でも、それぞれ園芸品種が沢山あり当てはまらないものも多いようです。カンツバキはツバキとついているけれど、花弁がパラパラと散るサザンカのようだし、肥後ツバキは雄しべが根本から分かれていて梅芯と言うのだそうです。こうなるともう私にはさっぱり分かりません。同属だから似ていて当たり前なのかもしれませんが。
もう一つややこしいのが、椿という字です。これをツバキと読むのは日本だけで中国では椿(チン)といえばセンダン科の香椿(チャンチン)のことだそうです。ツバキとは全く違う植物です。
また、昔はツバキは海石榴と書いてツバキと読み、万葉集に海石榴市(つばいち、つばきち)という古代の市の名前も出てくるそうです。確かにツバキの実は石榴(ザクロ)のように見えます。
これらのツバキにまつわるウンチクは荒俣宏『花空庭園』という本の受け売りです。この本は色々な植物を、優れた植物画とおしゃれなアールデコのイラストで紹介しているもので、見て楽しんで読んでなるほど、という内容になっています。
- 作者: 荒俣宏
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2000/04/01
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まあ、いつからツバキに「椿」の字を当てるようになったのか分かりませんが、木偏に春と書くのですからツバキがずっと昔から身近にあって、美しい、喜ばしい花だったことが伺えますね。
作品はこちら→《ヤブツバキ》
“ 《ヤブツバキ》” に対して4件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。
> ワインさん
>八角形の額縁、二つお持ちだったと言うことですね?
そうなんです2つ目です。この前のはまた手直しして少し黒っぽくしました。何だか益々ダメになったかも(笑)
>椿の葉は濃い緑色で厚みがあって重たい雰囲気ですが、kyouさんのこの絵は花が主役ですっきりした感じがします。
有難うございます。いつも花より葉を一生懸命描いてしまうので、今回は花が主役と思って描きました。
>ポートレートのような雰囲気で、それで八角形の額縁にぴったり合っているのかもしれませんね。
そうですか、この額に入れるようにモチーフも選んで描いたので嬉しいです。
八角形の額縁、二つお持ちだったと言うことですね?薄く緑色をかけたほうの額縁はとても椿の植物画が映えますね。椿の葉は濃い緑色で厚みがあって重たい雰囲気ですが、kyouさんのこの絵は花が主役ですっきりした感じがします。ポートレートのような雰囲気で、それで八角形の額縁にぴったり合っているのかもしれませんね。
>もみじさん
>シンプルな八角形の額の中で存在感を発揮していますね♪
どうも有難うございます。額やマットを考えるのって楽しいですよね。
花径は9センチくらいです。実家のヤブツバキで毎年描こう描こうと思ってやっと小さなものを描きました。
美しい一輪の椿を囲むように、いろんな角度の葉姿!
額の中で輝いていますね。
花びらの縮れや白抜きなど流石です(^.^)
モデルの椿の花径はどのくらいですか?
シンプルな八角形の額の中で存在感を発揮していますね♪