『柳宗民の雑草ノオト』
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春は道端や、ちょっとした空き地にも可愛い花が咲いて目を惹くもの。サクラはもちろん素晴らしいけれど、小さな花にも例えようもない色や複雑な構造があって、植物って面白いなぁと感じます。
でも、よく見るこの花の名前は何だっけ?ということがしばしば。そんな時役に立つのがこの本です。
四季の身近な花が載っていて、名前からちょっとした薀蓄、著者のその花への思いなど、一つひとつの花について、短いエッセーのような形で書かれているので読みやすいです。
また、植物は写真ではなく分かりやすい植物画がそれぞれついています。
今の時期だと、ナズナ、ハコベ、オオイヌノフグリ、ムラサキハナナ、ホトケノザ、タンポポ、フキ、ハルノノゲシなど、誰でも名前は知らなくても見たことがある植物ばかり、それでいて知らないことが沢山あるのが面白いところです。
著者は身近な植物(まあ、雑草と呼ばれることが多い)が、そもそも生える場所がなくなったり外来植物に追いやられたりしていることを危惧していました。
その意味でこの本は懐かしい昭和の風景へのオマージュであるようにも思いました。