《シュウカイドウ》
シュウカイドウをやっと描き終えました。
シュウカイドウは、シュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属)で、雌雄異花同株(しゆういかどうしゅ)の植物です。
シュウカイドウ 雌花
シュウカイドウ 雄花
雌雄異花同株と言うのは同じ株に雌花と雄花が付くもので、よく見るものではキュウリやカボチャがあります。キュウリもカボチャも花の根元にミニチュア版のキュウリやカボチャがついているのが雌花、付いていないのが雄花です。
一つの花に雄しべと雌しべがあるもの(バラ、サクラ、キク)は両性花と言います。また雌花、雄花が別々の株に付くものは雌雄異株(しゆういしゅ)と言い、代表的なものがイチョウになります。
話をシュウカイドウの花に戻すと、面白い記事がありました。
雌雄同株で、雌花と雄花が別々の花序につく。雌花は下位子房を持つ。蜜を作らないので、訪花者への報酬は雄花の花粉だけ。報酬を持たない雌花は、雄花を「真似る」ことで昆虫が間違って止まることで送粉すると言われる。確かに、雌花の柱頭は色や形が雄花の葯の集まりと似ている。 福原のページ(植物形態学・生物画像集など)より引用
描いていて、この雌花の「ニセの葯(やく)」には本当に苦労させられました。何度見ても形がよく分からないのです。雌しべに3つの花柱があり(花が枯れるとよく分かります)、それぞれ柱頭が左右に分かれ、それが更にひねられている、というような複雑な形をしています。
まったく、雄しべの葯のツブツブに似せるべく柱頭を変化させた執念!?進化に脱帽です。
加えてシュウカイドウ属(ベゴニア属)の葉は左右非対称で、左右で大きさが違うのも面白いところです。
種類によって形は違いますが、こんな感じに非対称になっています。
茎に右が大きい葉、左が大きい葉と交互に付いています。思い込みでサクラやツバキの葉のように左右対称に描いてしまっては大変です。
今回は途中で他のものを描いたり、サイズが大きかったりで随分時間がかかりました。その割には…な点もありますが。まあ、それもこれも作品はリアルな痕跡ですからね。
作品はこちら→《シュウカイドウ》
“ 《シュウカイドウ》” に対して4件のコメントがあります。
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>もみじさん
> 手前の大きな葉のリアル感に作品を思い切り拡大して見入っています。
> 主役とも思えるこの葉の葉脈!陰影!流石です♪
有難うございます。でも焦るわ~。
作品が割りと大きかったので、仕上げに時間がかかり、気力が続かない感じでした。植物画って体力、気力要りますよね。
> 葉は左右非対称なのですね。
> 分かりやすい説明で納得できました(^.^)
そうですか、良かったです。簡単なイラストで恥ずかしかったのですが。
散歩途中の道端に咲くシュウカイドウを横目で見ながら毎日通り過ぎていた私!
kyouさんの素適な作品を観て魅せられてしまいました。
手前の大きな葉のリアル感に作品を思い切り拡大して見入っています。
主役とも思えるこの葉の葉脈!陰影!流石です♪
葉は左右非対称なのですね。
分かりやすい説明で納得できました(^.^)
>きよぴーさん
>描いたからこそ、調べてみたくなり、
>より深く観察したくなる。
>これは植物画を描く楽しみでもありますね。
本当にそうですね。見るのと描くのとどっちが好きかと聞かれると、どっちもという感じでしょうかね。
>それを目の当たりにすることは、
>自然に神秘に触れることでもありますね。
そうですね。そういう時間が持てて有難いなと思います。
雌しべの雌花のニセの葯、見る機会があったら、
しっかり観察したいと思います。
描いたからこそ、調べてみたくなり、
より深く観察したくなる。
これは植物画を描く楽しみでもありますね。
動植物の進化に過程によってもたらされたもの、
それを目の当たりにすることは、
自然に神秘に触れることでもありますね。