意味ある一日
先日、と言ってもだいぶ日にちが経ってしまったが、娘と二人で「ベルギー王立美術館展」へ行って来た。
なんだかんだと心配事が多い中学校生活に娘も私も疲れたし、部活で土日練習もあることだから‥‥と、平日に学校を休ませて出かけた。
まぁ、たまにはいいでしょう。
教科書に載っていた絵が切欠で、マグリットを知った娘。好きになって学校から画集やビデオを借りて来ていた。
自分を取り巻く世の中の矛盾やら、何やらを、強く自覚し始めている時期だからこそマグリットの絵に惹かれるのかな‥‥とも思う。
どんな矛盾や不可思議も、絵の中では静かに調和して一つの世界を形成しているから。
何よりそこには一人の人間の自由な精神と表現があって、それを見る側一人一人も、自由に読み解いたり想像を膨らませることができる。それが興味深く楽しいのだろうな。
展示の最後の方でやっとマグリットに会えた。
「光の帝国」http://event.yomiuri.co.jp/royal/works03.htm
「光の帝国」は実に堂々とした存在感があった。
昼の光と夜の闇を同居させて、なお静まり返っている景色。
澄んだ明るい空の色と樹木の暗く沈んだ色のコントラストが美しく、ドラマチックだ。
一つの画面に収まる明暗の対比は、人の心のようにも思えた。
あんなに明るい部分があるなら、こんなに暗い部分もあるはずだよ、と。
光が明るければ明るいほど、影は濃い、と。そう考えるとむしろ矛盾は感じなかった。
絵をよく見ると手前に闇にまぎれて、黒い石のようなものが在った。
アレは何だろう?池のほとりに忽然と現われている‥‥。
同質の暗い色の中に忍び込んだ異質なもの。闇に潜むもの。
光と闇の同居と同じくらい、気になるな。
一人で見に来ていたなら、この2、3倍は時間をかけて見たろうに、そう思うとちょっと残念な気もする程充実した内容の展覧会だった。
でも、娘がこの後原宿に行きたいというので、そちらへ急いだ。
原宿には全国にも数箇所しかないジャニーズ・ショップがあるそうで、そこに行きたいのだという。
今日の本命はこちら臭い!?
そこでお目当てのKAT-TUNの上田竜也クンの写真を大量ゲット。
アイドルにキャアキャア言っているフツーの女の子で良かったと思う。
表参道ヒルズには興味を示さず、ラフォーレから竹下通りをそぞろ歩き&お約束のクレープ!
竹下通りは思えば何十年ぶりに来たことかと、こちらは感慨にふけるが、娘の方はチープな洋服や小物に目はキラキラ☆が飛んでいたっけ。
帰りは夕方になった。一人の時は遅く帰ることはないが、娘と一緒なので帰る時間を気にしないですむ。正直これは楽だなぁと思ったり‥‥。
振り返るとあの日は、色々話して、見て、遊んで、確かめ合えた。
意味ある一日になって良かったと思う。
今月は疲れることが多くあった。12月は平穏に過ぎてくれることを願う。
「国立西洋美術館」
“意味ある一日” に対して6件のコメントがあります。
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>nagisaさん
忙しかったわけではないのですが、何だか何をする気力も湧いてこなくって。
>子供に感謝です。
いい言葉ですね。 普通、子供に感謝されたい、こんなに苦労しているのに分かってくれているんだろうか、と思ってしまいますよ。正直今の私はそうかも。反省しなきゃいけませんね。
きっとnagisaさんが、子供に感謝。と言える母親であるから、息子さんも曲がらずに成長されたのだと思いました。
実は何度もHPを訪れてブログが更新されていないので余程忙しいのかしらと心配していました。お嬢さんと良い時間が持ててよかったですね。うちも上の子が中学生の時は色々ありましたっけ・・・なんて思い出したりしていました。あの頃は親が子供に迷惑かけてたような苦い思い出ではありますが。それでも曲がることなく育ってくれて男の子の割には会話はよくします。子供に感謝です。今度は下の子が中学生、どうなることやら、二人目なのでケセラセラといきますかね。入学説明会に行ってきましたがまあ普通の学校みたいので一安心。あとは本人に任せましょう。私も歳をとりましたのでぼちぼちやります。
>みちこさん
>きっと、この日のことは、一生お嬢さんの心に残りますよ。
ありがとうございます。血肉になって消えてもいいのですが。
私はあまりマグリットを知らなくて、娘の方が良く知っていました。
シュールでも、ダリよりマグリットの方が好きです。私にはダリはギラギラと強すぎて苦手です。
慣れ親しんだものの、ちょっとした齟齬みたいなマグリットがいいなぁと思います。
そう、家でクレープ祭りやってます。20枚くらいはクレープを焼きます。甘いのばかりじゃなくて、味付けしたひき肉をレタスやキュウリと一緒に食べたりするのも、家族みんな好きですよ。
「名物に上手いもの無し」を裏切っているのは竹下通りのクレープ? 友達に、ブルーベリーチーズが美味しい!と勧められ、げっ!チーズとジャム?と思ったものの、その美味しさに仰天したのを思い出しました。焼いてるお姉さんが、ひどく無愛想で、でも、手つきは完璧なのも。。。今は、チーズケーキにブルベリーソースなんて当たり前ですがね。
家でクレープ祭りは楽しそうですね。生クリームって、山盛りにしたくなるんですよね~。イチゴとかバナナとか入れるんでしょう?
うーん。。。
光の帝国は、すごくいいですね。ポスターを部屋に飾りたいなあ、と思いました。
きっと、この日のことは、一生お嬢さんの心に残りますよ。
>monkusiiruさん
マグリット(シュールレアリズム)の絵って、色々に読めて面白いですよね。自分なりのストーリーもありだし。
絵を見て自分の心の奥と会話できればいいことですよね。
マグリット以外でもいい作品が沢山あって見ごたえがありました。
そういえばmonksiiruさんもブログにクレープの事書いていらっしゃいましたよね(笑
ウチは自宅でも時々作りますよ。思いっきり生クリーム入れて食べちゃいます。
kyou2さん、こんにちはです。
光の帝国を見ていてしばらくしてから昼の光と夜の闇が同居していることに気がつき不思議な絵だなと思いました。矛盾しているのに気が付かない私は鈍感だと実感しました(笑)
中学生のお嬢さんだとこういう部分を感じることが出来るのでしょうか。感性が一番鋭い時期ですよね。
と思って読んでいたらジャニーズショップ、原宿のクレープでホッとしていまいました。9月に私も原宿竹下通りででクレープ食べましたがあれは美味しいですね。矛盾なく美味しいです。