たまには甘く
先日ひょんなことから、「弥生美術館」へ行くことになった。
以前から個性的な美術館とはきいていたが、そのとおり。高畠華宵を中心に明治、大正、昭和の挿絵画家を紹介している美術館。
「竹久夢二美術館」とは繋がっていて、まるで仲の良い姉妹が手を繋いているといった風もなかなか大正ロマン。
企画展では「岩田専太郎展」をやっており、時代の寵児として画風も時流とともに変遷していった様子がよく分る。
兎に角描く事が好きな人だったようだ。専太郎は仕事に追われ描く事が嫌になるのではなく、嫌なことがあると描く。というような説明書があった。
有名作家の挿絵も多数手がけており、ああこれも!?と楽しい。
横溝正史の『真珠郎』があった。最初の場面、雲間にヨカナーンの生首を見るシーンがある。その挿絵だ。
谷崎潤一郎の『痴人の愛』ナオミが主人公の譲治を痛めつけている図。分りやすい。
笹沢佐保の『木枯らし紋次郎』のポスターもあった。小学生の頃、テレビで見ていた記憶があるなぁ。
日本画の美人画もあったが、これはどうもあまり好きじゃない。
岩田専太郎を良く知るわけではないが、浮世絵の系譜に連なる人だと思う。ファイン・アートの土俵に上がってもその魅力は発揮できないように思った。
専太郎展を見おわると、華宵へと続いていく。
甘すぎるお菓子のテンコ盛りだけれど、好きな人にはたまらない世界なのだろう。
そういう濃い世界っていい。人はみなそれぞれ濃い世界に生きられた方が幸せかもしれない。
この弥生美術館を創った方は華宵の絵に魅せられて、この美術館を創設したそうだ。
廊下をつたっていくと竹久夢二に。
面白かったのは、新少女という雑誌の付録の「家族双六」
お正月からはじまって、ひな祭り、試験、運動会などなど、クリスマスであがりになっている。
夢二の絵に、いかにもという言葉が添えられていて、さあ、一緒にあそびませう。…な感じ。
「お花見」にはこう書いてある“お父さんはお花見の留守をしてくださった代わりに「夏期休暇」へいらっしゃい。”
「すすはき」は割烹着を着たお母さんがはたきを手にお掃除している絵に、、、
“お父さんは一回休み。お母さんはお疲れでしたらう。お上がりくださいませ。”
…オホホ、なんとも優しいではないか。思わず笑ってしまうけれど。
弥生美術館
“たまには甘く” に対して2件のコメントがあります。
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弥生美術館は同名の本を持っています^^;
一度は行って見たいですねぇー。
確か、伊藤彦造なんかもあったような気が、、、
夢二も相当好きです。初期の林静一の絵にはダイレクトな影響が見られ、かつある種のグロテスク性があってとても良いです。
記事に関係なくてすみません^^;
甘い絵もありますがさも大正デカダン..な水死っぽい絵などがあって楽しめますよね、結構ポストカードを買ってしまった(笑
根津はすきな場所です。
朝倉彫塑館・アトリエには行かれましたか?