虫はスゴイ。

三人寄れば虫の知恵 (新潮文庫)

『三人寄れば虫の知恵』 養老孟司、奥本大三郎、池田清彦 (新潮文庫)

小学校のころは、そこいらの原っぱで虫取りして遊んだっけな。

実家の庭にアリが沢山いて、死んだハエとか巣の近くに置くと、それをすぐアリが運んでいく。

その光景をジッ~と見ているのが好きだった。巣穴の中にズルッと引き込む瞬間が面白くてよくやったもんだ。

・・・そんな昔のことを思い出したなぁ~。今はマンションだからアリもほとんど見ないけれど・・・

本書は、「虫」が肴の鼎談録。池田氏の他は専門外のようだけれど、ほとんど御三方専門家。

私にはムズカシイ名前の虫は分るハズもないが、読んでいて楽しい。虫が分る人はもっと楽しいだろう。

利害関係や上下関係のない、共通の趣味で結ばれた関係というのは、実に素敵なものだなと思った。

[養老] ふつうの人はあんまりいわないんだけど、虫の形を考えるとき、成虫と幼虫を分けて考えないといけないね。

僕は、しょうがないから勝手に幼虫に「栄養形態」という名前をつけているんです。成虫は「生殖形態」。セミが典型的だけど、生殖のためだけに生きて、すぐに死んじゃうでしょ?幼虫はぜんぜん形が違うわけです。

[奥本] カゲロウなんか、もっとそうですよね。成虫になったら口がないんだから。

[養老] そう。甲虫もそうだけど、完全変態のやつはみんなそうですね。蝶と毛虫の格好は全く違うでしょう?だから、いわゆる生物の機能というときの、形と機能の関係をみると、幼虫の場合には生きていく環境、要するに食っていくということに集中しているし、成虫になると生殖行動と密接に結びついているから、とんでもない形してるんだよね。

[池田] 形に遊びが多くなってくるよね。     (P206)

言われてみればその通りだけれど、虫はホントに面白い。がらりと変わるもんね。潔いよね。

その点ヒトは、だんだんと心身が成長していく。三つ子の魂百までも、とか言っちゃうし。何でもずるずる引きずって大きくなる。

[池田] チビナガヒラタムシという虫がいるでしょう?世界に一種しかいない、一科一属一種というとんでもない虫なんです。あれは朽木を食っているんですけど、朽木がたくさんあるいい環境にくると、めんどくさいから変態せず(笑)、親にならない。幼虫が幼虫をバンバン産むんですよ。だから、ものすごい勢いで増えちゃうわけ。 

[養老] キノコバエも典型的だね。キノコがたくさんあるうちは、幼虫のうちに生殖しちゃうんです。でもキノコはいずれなくなるから、なくなりそうになると、たちまち変態して翅が生えて飛んでっちゃうんだ。    (P215)  

いや~、何でもありの世界だ。あんまりリアルに想像すると気持ち悪いな。ぼやっと思っとこう・・。

虫好きの人を「虫屋」というそうで、さらに虫屋はアナーキーだそうだ。

他人の決めた秩序に従わず、自分で秩序を作ろうとする、あるいはそんなものはなくてもかまわない、と思うらしい。

そんな性質を持った人が虫好きになるのではなく、虫に影響されてそうなるのであろうと奥本氏が言っていたが・・・なるほど、頷けるなぁ。

何だか、チマチマ考えるのがアホらしくなる。

不意打ちに弱い私は、結構しっかり準備して、段取り組んで行動するほうだ。

だからしばしば事が起こる前に疲れちゃう。ホント馬鹿なエネルギーの使い方してる。

虫は可変的に、成り行きに任せながら多様性を発揮して、最大の効果をあげている。

虫のふり見て我がふり・・だ。

虫は虫でも、青虫とかモゾモゾ系は大嫌い。手足がないのはダメ。あっ、あり過ぎもダメだ。

でも、色んな妙なものがいて面白い。人ばかりじゃ地球は全然つまらない。

虫はスゴイ。” に対して1件のコメントがあります。

  1. ワイン より:

    わたしも子供の頃から虫が好きでした。いまでも好き。嫌いな虫はもちろんたくさんあるけど、でも触らず、離れて観察するぶんにはゴキブリもナメクジもげじげじも蜘蛛もみんな面白いと思います。
    生殖のためだけに存在する成虫って、ごはんもたべず仕事もせず、ひたすらおしゃれして異性を探す毎日ってことですよね。それもいいかも。(笑)

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