スタイル(様式)からファッション(流行)へ
『快読・現代の美術』絵画から都市へ 神原正明(勁草書房)
先に読んだ『快読・西洋の美術』が面白かったので、こちらの方も読んでみることに。
絵画、写真、映像表現、ダンス・パフォーマンス、彫刻、デザイン、工芸、建築、環境。などについての考察。
やはり注目するのは、美術においてルネサンス以来、絶対的な立場であった絵画が、どのように形を変えてきたのかということ。
現代美術というと、私達はどのような作品を想像するだろう?
194,50年代の抽象表現主義から思い浮かべても、目まぐるしい。たかだか半世紀あまりなのに。
千年のスパンで変わらぬ様式のエジプト美術が嘘のようだ。
あとがきに「現代の視覚文化を読むことをめざした。」とある。著作権の問題もあるが、図版が少なく、図版解説はほとんどない。
また、十年単位の変遷を追っても意味がないとして、美術史を芸術ジャンルでとらえた方が有効だとして、本の構成もジャンルで分けられている。
しかし、そのジャンルも互いに影響しあい、より細分化されているように思える。
現代美術が好きになるには、細分化された中で、お気に入りの一つを見つける事かなとも思った。