[展覧会] 横濱 東西文化のランデブー
横浜ユーラシア文化館で開催中の「横濱 東西文化のランデブー」を観てきました。
幕末の横浜は日本文化と西洋文化が融合されて、ノスタルジックで異国情緒あふれる魅力があります。本展では実業家の山本博士氏のコレクションの中から、当時の横浜の歴史や文化を伝える眞葛焼、横浜写真、横浜彫刻家具などが展示されています。
特に眞葛焼は、土台となる花瓶や器に細部まで忠実に再現した動植物をあしらった超絶技巧が見どころです。横浜の町中に世界的にも有名な窯があったのを知った時は驚きましたが、第二次世界大戦の横浜大空襲で焼失してしまったことは本当に残念でなりません。
鷹が滝のある急峻な崖で翼を休めています。右には熊もいて、まさに深山幽谷の風情です。
雀が鷹に捕まって絶体絶命の場面、臨場感に溢れています。
丸くなった猫の造形が見事です。口の中に小さな歯が見えるのも可愛いですね。
猫とくれば、鼠でしょうか。花瓶に描かれた草花は平面的で装飾的、瓶の肩に乗っている鼠たちのリアルな動きと立体感を際立たせているようです。
横浜彫刻家具は重厚で豪華そのもの。当時の富裕層の暮らしぶりを垣間見ることができます。
ところで、11月30日まで「絵本原画で出会う モンゴルの歴史と文化」という企画展も開催されていて、こちらも興味深かったです。
絵本作家のバーサンスレン・ボルマー(絵)とイチンノロブ・ガンバートル(文)のご夫妻が出版した『モンゴル大草原800年』と『トヤのひっこし』の原画を中心に、モンゴルの歴史と文化が紹介されています。
『モンゴル大草原800年』はチンギス・ハンの時代から現代までの歴史を描いた絵本です。歴史的な事柄を伝えるだけではなく、モンゴルの雄大で美しい自然や人々の暮らし、動植物などが細密に描かれています。そこには作者の祖国に対する尊敬の念や、深い愛情が感じられます。全て余すところなく描きたいという情熱が伝わってきました。
全体に写真が暗く良くないですが、原画はもっと明るく鮮やかです。説明文に「モンゴル人にとって一生の友である馬に乗って草原を過去から現在へと駆け抜けるようすを描いている」とありました。画面を横切る地平線と疾走する馬のパースが明快で、草原の広大さが伝わってきます。草原の草も手前と奥で葉の描き方を変えていて、手前の葉の繊細な描き方が美しいです。
絵の解説地図が下にあるので、分かりやすく楽しい展示になっていました。
適度に単純化された形や独特なトーン、作品のテクスチャに作者の個性が感じられました。何より細かい描写の中に温かみがあるのが特徴で「見た人が楽しくなるような絵」というのが素晴らしいと思います。
平日に行ったので「横濱 東西文化のランデブー」と「モンゴルの歴史と文化」のどちらも比較的ゆったりと鑑賞することができました。絵にご興味のある方は11月30日までがお薦めかと思います。











