[雑記] テート・ブリテン美術館とヴィクトリア&アルバート博物館

ロンドンにはそうそう行けるわけではないので、今回の滞在中に気づいたことや足を運んだ美術館や博物館などについて書いておこうと思います。

ロンドンに着いてまず驚いたのが日の長さでした。夜の8時、9時までこちらの夕方4時、5時の明るさがあります。勢い夜遅くまで起きてしまいますが、朝は4時ごろから明るいので寝る暇がないような感じでした。一日の寒暖差や天気の移り変わりの激しさも予想外で、ずっとシトシト降っているような雨ではなく、ザーっと降って晴天といった感じです。たまたまそうだったのかは分かりませんが、雨が降って計画した行動ができなかったという日は無かったのでラッキーでした。

定番のビッグ・ベンあたりから20分ほど歩いてテート・ブリテン美術館に着きました。ラファエロ前派が好きな私としては、J.W.ウォーターハウスやE.バーンジョーンズの作品を是非観たかったので感激でした。

赤い壁にドーンと《黄金の階段》《シャロットの女》があって「おおっ」という感じ。館内は空いているのでゆっくり観ればいいのになぜか焦ってしまいました。


エドワード・バーンジョーンズ《黄金の階段》

 


J.W.ウォーターハウス《シャロットの女》

 


ジョン・エヴット・ミレイ《オフィーリア》

意外なことにテート・ブリテンに飾られているラファエロ前派の作品は、《オフィーリア》を始め東京で見たことのある作品が多かったです。また、館内に模写用のイーゼルと紙、近くの机の上には鉛筆と色鉛筆が用意されていたことも新鮮な驚きでした。美術館で模写をするなんて画学生とか特別な人がするものだと思っていましたが、気軽に誰でも利用できるようになっているのです。私も折角なので《黄金の階段》の模写の真似事をしてみました。しばし没頭、良い時間を過ごせました。

 

最後にいかにもイギリスという感じの絵画たち。こちらは緑の壁に映えてますね。

 

ヴィクトリア&アルバート博物館へは、朝からホテル近くのケンジントン・ガーデンズを経由して歩いて行ってきました。

途中に有名なハロッズがありました。貫禄あります。

しばらく歩くとヴィクトリア&アルバート博物館に到着。世界中の工芸品、金属製品、アクセサリー、家具調度、武器、おもちゃなど広範囲な収蔵品の展示されています。

重厚な建築で中に入ると大理石の柱が見事でした。吹き抜けになっていて上の階は回廊のような展示スペースでした。

収蔵品があまりに広範囲なので焦点が絞れず、見方が散漫になってしまいました。その中で印象に残ったものはIronworkというカテゴリーにあった鉄を使った家の門扉や錠前などでした。錠前はドアに付けられたものや金庫に施されたものもあったように思います。

懐かしい感じの金属の缶がありました。クッキーやチョコレートが入った可愛い缶というのはこのあたりから日本に入ってきたのかもしれませんね。

何だか妙な顔をした城の門番のような置物。魚が立ってます。

もっと素晴らしい工芸品や中東のガラス瓶、中世の甲冑、シノワズリーの家具、螺鈿細工など数えきれないほどあり、基本的に写真撮影可ですが写真を撮っているときりがないので結局あまり撮らずに終わってしまいました。人や時代や種類も違う様々な工芸品を観るにつけ、機能だけに飽き足らず装飾という一歩を踏み出すのが人間なのかな、という気もしてきます。一周回って機能美の追求というのもありますけれど。

ところで、今回行ったロンドンの美術館や博物館は企画展を除き全て無料でした。その代わりという訳ではありませんが、任意で寄付(ドネーション:donation)をすることができます。器械を通して一定額をカード払いできる仕組みになっているところもあり、簡単に寄付することができました。色々な場所で寄付があり、一般的な文化になっているのを感じました。