[展覧会] 山内龍雄芸術館 常設展

藤沢市の住宅街の一角に山内龍雄(1950~2013)という画家の作品を展示している「山内龍雄芸術館」という展示施設があります。
恩師から「とても良い絵だから機会があったら是非見て」と薦められていたので、先日ふと思い立って行ってきました。


山内龍雄芸術館 内部

山内龍雄の油彩は、キャンバスの表面を削って薄くしていき、その上に丹念に色を重ねるという独特な方法で描かれています。
画面がグレーと黒で描かれていた抽象作品はテクスチャーがとても繊細で、油彩ですが日本画の絹目に薄墨といった感じもしました。
キャンバスの織り目に自身のリアルな心情というか、何ものかを織り込むように描いていて、画面の内側には漠とした精神世界の広がりを感じました。作品は大小を問わず時間をかけて描かれているのが分かり、密度の高い妥協のない画面はモチーフが描かれている以上の見応えがありました。

こちらの施設は山内龍雄の作品に惚れ込んだ須藤さんという方が個人で建てられたそうです。たまたま来場者がいなかったので須藤さんご本人(とても気さくでユニークな方でした)から、山内龍雄と二人三脚で苦労しながら歩んだ30年間のお話を伺うことができたのも有難く嬉しいことでした。

現在の展示は山内を含むコレクション展示で、山内龍雄の作品はそれほど多くはありませんでしたが、色々な作家の作品を見ることができたのも良かったと思います。次回は別の作家さんの企画展になるので、山内作品だけの展示はそれ以降という感じでしょうか。

私はHPをよく見もせずに行ってしまい、現地で施設が開いていなかったので戸惑いました。
もし、こちらを訪れたい方がいらっしゃったら開館状況など確認して、事前にお電話された方が良いかと思います。

山内龍雄芸術館