「バリを抱きしめて 暮らして集めた伝統衣装」
先日、関内にある横浜ユーラシア文化館で開催中の「バリを抱きしめて 暮らして集めた伝統衣装」を見てきました。
バリ島はイスラム教徒が多いインドネシアのなかで唯一、島民のほとんどがヒンドゥー教と土着信仰が融合したバリ・ヒンドゥー教を信仰しているそうです。
本展では信仰とともにあるバリの人々の誕生、結婚、葬儀など人生の節目で行われる儀式やそのための衣装や装身具が展示されていました。
興味深かったのはバリ島各地の婚礼衣装で、アグン=最上、マディア=中流、ニスタ=下層というカーストによる衣装の違いがあるのも興味深かったです。アグンが最も豪華で下にいくほど簡素になりますが、ニスタでも十分美しいなと思いました。まあ、結婚は中身ですから(笑)
どんな展覧会でもやっぱり植物が気になるものですが、特にバリの装飾は髪飾りや衣装の模様に花が多いなぁと感じました。
ポスターにもなっている女性の金のかんざしはイランイランの花がモチーフになっているとのこと。一本が長くて先にイランイラン(クナンガ、サンダット)の花が3,4個ついているものを、アグンは21本マディアは17本挿す、というような説明書きがありました。銀製で鍍金されているそうです。
イランイラン 画像( Photo by (c)Tomo.Yun )
また、プルメリア(フランジパニ、ジュプン)、モクレン科のチュンパカと呼ばれる木(和名ギンコウボク)もよく使われるモチーフのようです。バリに行ったことはないのですが、色とりどりの花やエキゾチックな香りの花に包まれているようなイメージですね。
プルメリア 画像「季節の花300」
チュンパカ 画像「タイの植物」
織物も素晴らしく、幾何学的な模様のなかにも豊かな自然を感じさせるものが多かったです。パンフレットによると何年もかかって女性が織り上げ、その技術は母から娘へと伝承されるそうです。
ところで私は平日にこちらへ来たのですが、会期中の土、日、祝日はバリの衣装を無料で着ることができるとのこと。ちょっと着てみたかったかな。
余談ですが、所々に出没している横浜ユーラシア文化館のマスコット、こぶうしの「こぶちゃん」が可愛いです。今回は企画展だけ見て疲れてしまったので常設展まで見られませんでしたが、面白いものが沢山あるので次回は是非見てこなくちゃ。
こぶちゃん
“ 「バリを抱きしめて 暮らして集めた伝統衣装」” に対して2件のコメントがあります。
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>きよぴーさん
ご旅行されたことがあるんですね、羨ましい。美しくて不思議はところみたいですね。
本当に美しいものを生み出すには豊かな自然が不可欠なのかも。
物質的な豊かさと心の豊かさ、足りないところは信仰が満たすのでしょうか。
十数年前に、バリを訪れたことがあります。
知人がバリに別荘を持っていて、そこに行きました。
今では、知人も亡くなり、別荘も人手に渡っているはず。
豊かな自然、ヒンドゥー教の教えを守った日々の暮らし。
物質的には決して豊かとは言えないけれど、
バリに住む人々の心の豊かさを感じたことを思い出しました。