《サクラ ‘染井吉野’ 》
4月に近くの公園で咲いていた‘染井吉野’を描き始め、やっと仕上がりました。
サクラを見るたびに「いつか描かなきゃマズイなぁ」と毎年勝手にプレッシャーを感じていたのですが、兎に角クリアで一安心です。
‘染井吉野’ 部分
公園のサクラなので現地でラフデッサンをした以外は主に写真を見て描くことになりました。写真は何枚も撮ったのですが細部まで描こうとすると形がはっきり分からない所も多々あり、花の構造や枝からの花の付き方を考慮しながら形を決めていきました。
‘染井吉野’というサクラはエドヒガンとオオシマザクラの種間雑種で、その種間雑種の中の栽培品種(園芸品種)が‘染井吉野’です。学名で表すと、Cerasus × yedoensis ‘Somei-yoshino’となります。
サクラを描くとなってあらためて調べてみると、数えきれないほどの園芸品種があって、開花の時期、花の色や形や大きさ、萼筒の形や長さ、毛のあるなし等々、それぞれ顕著な特徴があるのに驚きました。
特に‘染井吉野’を描いて興味深かったのは花柄や萼筒でした。やや下がふくれた長い萼筒で、5つに分かれた萼片はよく見ると小さな鋸歯があり、花柄と萼筒には毛が生えています。その特徴は両親のエドヒガン(萼筒は下部がふくれ上部がくびれた壺形、花柄、萼筒とも毛がある)とオオシマザクラ(萼筒はほっそりで萼片に鋸歯、花柄、萼筒は毛がない)をちょうど足して二で割ったようだと実感できたのは貴重なことでした。
‘染井吉野’ 蕾
今回、‘染井吉野’を描きましたが、並行して‘横浜緋桜’も描いていて鋭意努力中です。‘横浜緋桜’は割と新しい園芸品種で、横浜界隈では公園などでよくみられる濃いピンク色をした華やかなサクラです。‘染井吉野’と比べると紅白というくらい色が違うと思います。両方出来上がって並べたらきれいだろうなぁと目論んで描いているわけです(笑)
また、最近読んだ『桜の科学』は桜について植物学的な解説は勿論、文化的、歴史的なアプローチもあり興味深かったです。素人の私でもとても読みやすく桜について楽しく学ぶことができました。
『よくわかる栽培12か月 サクラ』はご存知のかたも多いコンパクトな本ですが、サクラの鉢植えの栽培方法が紹介されているのが面白かったです。ちょっとやってみたくなる内容でした。
作品はこちら→《 サクラ‘染井吉野’》
“ 《サクラ ‘染井吉野’ 》” に対して4件のコメントがあります。
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>ゴンベッサさん
>どうしても写真に頼るので大変そうです。
そうですね、第一に写真を見て描いてもテンションあがりませんよ(笑)もっと実物を見てスケッチしておくんだったと後悔しました。
大作ですか、頑張っていますね。期待しています。
>ワインさん
私もやっと今年描けたからちょっと解放された気分です。ほんとに何でも描いてみると色々分かって面白いですよね。
>近くでもタマナワザクラの近くにあるソメイヨシノがほんのすこし実をつけています。
ソメイヨシノ同士だと駄目だけれど、別の種類があると結実するようですよ。タマナワザクラの花粉でソメイヨシノに実がなっているのかもしれませんね。
綺麗ですね、白花影が難しいですしサクラあっと言う間に散って
どうしても写真に頼るので大変そうです。
高橋京先生の花の絵美術館に行った時カワズサクラの絵の説明で
おしべが何本でとか細かな説明を受けました
その種の特徴を捕まえないと描けないですね。
私の方も今大作を仕上げ明日先生に見ていただく
段階に来ています。
桜は季節になると、一度は描いてみたいと私もいつも思います。けれども思うだけで、ぐずぐずしているうちにあっという間に花が終わってしまって、毎年あーあ、今年も描かなかったと思いながら初夏になってしまいます。ソメイヨシノはクローンだから、実がならないといわれていますね。たまに実がついた木を見かけますが、我が家の近くでもタマナワザクラの近くにあるソメイヨシノがほんのすこし実をつけています。
花柄や萼筒に桜の特徴が現れるというのは知りませんでした。やはり、描いてみて初めてわかるは多いですね。