《スイートピー》
春らしくスイートピーを描いてみました。
今回は切り花だったので描き終わるまで花が保ってくれるか心配でしたが、夜間は外に出したりしていたら案外枯れずに頑張ってくれました。
スイートピーはマメ科で、マメ科の花は蝶形花冠(ちょうけいかかん)といって面白い形をしています。花弁は全部で5枚ですが3種類の花弁に分かれています。
3種類は昆虫に花粉を運んでもらうために役割分担をしているそうです。
一番目立つ1枚が旗弁(きべん)といって虫を呼び寄せるためのもので、根元の蜜標(みつひょう=ガイドマーク)があり虫に蜜の在り処を教えています。その下の4枚花弁のうち、真ん中の袋状になった2枚(上だけ口が開いて側面は合着している)を舟弁(しゅうべん)または竜骨弁といい、中に雌しべや雄しべが入っています。外側の2枚は翼弁(よくべん)で虫が蜜を吸うための足場になっているそうです。
《スイートピー》部分 旗弁の根本に白い筋のように見えるのが蜜標
普段は舟弁の中に入っている雌しべや雄しべですが、虫が蜜標にしたがって旗弁の根元に潜り込むと舟弁が押し下げられて雄しべや雌しべが外に出て虫の足に花粉が付くという仕組みになっています。
更にマメ科の多くは雄しべが10本で、9本が合着してぐるりと雌しべを取り囲むようになっていますが、1本だけは離れて付いているそうです。蜜は雌しべの根元にあるので雄しべがぐるりと取り囲んでしまうと蜜が吸いづらくなるので、一本離れることで隙間を作り蜜を吸いやすくしているとのことです。
本当かなと思って描き終わった花を解剖してみたら雌しべを囲んで雄しべがありますが、よくよく見てみると上の旗弁側の1本は独立していて、あとの9本が合着していました。スイートピー恐るべし…
蝶形花冠については『観察する目が変わる 植物学入門』を参考にしました。初心者にも分かりやすい言葉で植物の基本的なことを解説していて、ペン画の図も見やすいです。カラーでないのが惜しいですが。
スイートピーを描いている間、ヒラヒラした花弁には悩まされましたがsweetの文字通り良い香りに包まれて幸せでした。
でも、心残りは切り花だったので葉や巻きひげが無く描くことが出来なかったことです。いつか種を蒔いて描いてみたいと思いました。
作品はこちら→《スイートピー》
“《スイートピー》” に対して8件のコメントがあります。
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>もみじさん
>それぞれの花びらのフリルや捩れに動きを感じます。
>茎に生えた、いっぱいの産毛も楽しく描かれたのでしょうね♪
花びらや茎の捩じれって難しいですよね、苦労したところです。
葉がない分単調にならないように茎に神経を使いました。楽しかったかったかどうかは疑問~(笑)
>紫色のスイートピーがとってもお洒落(^.^)
私も今回は紫のが描きたくて。
3色のスイートピーに嬉しい春を感じました。
それぞれの花びらのフリルや捩れに動きを感じます。
茎に生えた、いっぱいの産毛も楽しく描かれたのでしょうね♪
紫色のスイートピーがとってもお洒落(^.^)
>ワインさん
>kyouさんが葉を描かずに花だけを描くのはめずらしい?
おお、確かに!葉が好きなので初めてかも。切り花のスイートピーも葉を入れてくれるといいですよね。
ヒラヒラした花は苦手でしたが、作りを十分に観察できたので良かったです。
スイートピー、最近花屋さんでよく目にするようになり、春が近いことを感じて嬉しくなっています。いろいろな色があって、花束にすると明るくなりますね。kyouさんが葉を描かずに花だけを描くのはめずらしい?
>ゴンベッサさん
>渥美半島は温暖な地で温室栽培が盛んで花や果物が多く栽培されています。
良い所なんですね。園芸品種も沢山作られているのでしょうね。
ハランは葉のイメージしかなく花を見たことがありません、ネットで探し見たら面白い花なんですね。
スランプとのこと上の段階に進まれるからこそ、とお察しいたします。
渥美半島は温暖な地で温室栽培が盛んで花や果物が多く栽培されています。
温室一杯スイトピーが栽培されていたのも見たことが有ります。
春の花で優しい感じの花凄く良く表現されていて素晴らしいです。
私の方は今ハランの花を描き始めて居るのですが
筆が止まってしまい全く進みませんスランプに入ってしまったみたいです。
>きよぴーさん
>植物が持つ、受粉のための工夫には頭が下がります。
本当にそうですね。一つの植物を描くとそれについて調べるのですが、いつも知らないことばかりです。まあ、私はすぐ忘れてしまうことが多いのですが(笑)
>春の風を運んできてくれそうな植物画ですね。
嬉しいお言葉どうも有難うございます!
今頃の季節になるとよく目にするスートピー。
その構造はほとんど知りませんでした(^_^;)
植物が持つ、受粉のための工夫には頭が下がります。
スートピーの花びらがもつ透明感が、
春の風を運んできてくれそうな植物画ですね。