《クリスマス・アレンジメント》
クリスマスのためにポインセチアなど数種類の植物をアレンジして作品を描いてみました。久しぶりに大きな作品でしたので2ヶ月以上掛かりっきりでした。
描いたものはポインセチア、ヒイラギモチ、モミ、ノイバラ、キヅタ、ヒイラギ、ヘデラ、クヌギ、マツボックリ、ブラッチーシトン、マテバシイ、ドイツトウヒの12種類です。
配置は下図のような感じです。
全体に裾広がりの構図にして、手前の実ものは置いた感じで少し影をつけてあります。写真の撮り方のせいでしょうか、ポインセチアの赤が少し朱色っぽく出ていますが、実際はもう少しローズ系の色味です。
また、描いたものは葉がスプレーで赤を吹きかけた斑入り(?)のようになっているもので、他にも緑の葉や白いっぽい葉に葉脈だけ浮き上がっている葉も付いていて変化に富んでいました。ポインセチアは毎年のように新しい園芸品種が出回っているのにはびっくりします。
ポインセチア(黄色のが蜜腺)
ご存じの方も多いと思いますが、ポインセチアは真ん中にある小さなものが花です。杯状花序(はいじょうかじょ)と言って、小さいコップ状の中に雄花と雌花が入っていて、コップの脇には唇がある口のような穴「蜜腺」が付いているという奇妙な形をしています。
ヒイラギモチ 画像:「植物園へようこそ」より
ヒイラギモチ(ヤバネヒイラギモチ)というのはお店ではクリスマスホーリーの名前で見かけることが多いです。ホーリー(Holly)はモチノキ属の英名でセイヨウヒイラギもヒイラギモチも両方ともモチノキ属です。
紛らわしいのですが、よく見る棘のあるヒイラギはモクセイ属で全く違うそうです。描いてみるとヒイラギモチは葉が互生(茎の節に葉が1枚互い違いに付く)で、ヒイラギは対生(節に2枚の葉が向き合って付く)になっていました。
描いたヒイラギモチはラッキーなことに教室の方から頂いたもので、ほくほく顔で急遽画面に入れさせてもらいました。
実ものはマテバシイとクヌギは拾ってきたものですが、マツボックリ、ドイツトウヒ、ブラッチーシトンはリース素材などを販売しているお店で購入しました。
マテバシイ(左)ドイツトウヒ(右)
ドイツトウヒはマツ科トウヒ属でオウシュウトウヒとも呼ばれています。マツボックリを薄く細長くしたような感じの球果で15センチほどもありました。
いやはや、これは描くのに苦労しました。デッサンの段階でどこを描いているのかすぐ分からなくなってしまいます。球果独特の螺旋の法則があるとは分かっていても、見れば見るほど一箇所に集中してしまって全体が分からなくなる。頭悪すぎです~(T_T)
マツボックリも同様の難しさがあり、球果をすっきりと美しく描くにはまだまだ力が足りないと自覚しました。
ブラッチーシトン
ブラッチーシトン(Brachychiton ブラキキトン属)は初めて見るユニークな実で、フラワーアレンジメントやリースなどで人気の素材らしいです。一目見るなり「これは描きたい」と思い加えてみました。
随分時間がかかって仕上げましたが、どうにかクリスマスに間に合って良かったです。今回は自分なりに試行錯誤というか、チャレンジ的に色々なものを描いてみたので勉強になりました。まあ、課題が残るのもいつものことですが。
作品はこちら→《クリスマス・アレンジメント》
“ 《クリスマス・アレンジメント》” に対して13件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。
親切な説明ありがとうございました。
>親植物は分からに事も多いので、ご指摘していただくと勉強になります。
本当に種類が多いので覚えるなんて不可能ですよね。
私が好きな蘭でも原種だけでも25000以上有るようです。
交配種を入れたらどれだけの数になるか想像出来ませんし
豊橋蘭友会のHPも私が作成していますが人気投票で
展示してある蘭達、プロ、アマともによく名前が違っています。
沢山の変わった蘭の写真が展示してありますので又見てやってください。
私も大変に勉強になりましたありがとうございました。
>ゴンベッサさん
>本来モミは木を中心に葉が左右に開き葉先が二股に分かれます。
>モミに似た木が沢山有りカヤ、ツガ、イチイなどですが
>その中でツガかな?と思えるのですが?。
ご指摘どうも有難うございます。私も描く前に調べてみて二股になっているのがモミということは知っておりましたが、どうもそのモミとは違う種類のモミのようです。
クリスマスによく使われるオレゴン産のモミを注文して描いたのですが、オレゴン産のモミを検索すると描いたもののようにコロッとした物が多く出てきます。
モミ属のウィキが下記で
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%9F%E5%B1%9E
オレゴン産のモミはその中にある Nobilis節 学名 Abies procera あたりではではないかと思いました。
おっしゃるように、日本のモミは Momi節 学名 Abies firma になり、確かにぜんぜん違いますね。
今回描いたことでモミにも色々種類があることが分かりました。作品のタイトルには簡易的に「モミ」と表記してしてしまったので、ゴンベッサさんのように疑問を感じた方もいらっしゃッたかも知れません。それほどよく見ていただける方は少ないと思いますが。
植物は分からに事も多いので、ご指摘していただくと勉強になります。本当に有難うございました。
kyouさんこんばんわ。
絵の中の植物でモミが気になり私の考えているモミとイメージが違うのでイロイロ調べて見ました。
モミで検索をかけると確かに絵の様な画像が出るのですが
本来モミは木を中心に葉が左右に開き葉先が二股に分かれます。
モミに似た木が沢山有りカヤ、ツガ、イチイなどですが
その中でツガかな?と思えるのですが?。
まあ現物がないのでなんとも言えないのですが
一度確かめてみてください。
細かなことを書いて済みませんでした。
>きよぴーさん
どうも有難うございます。
描いている間はいつもネットはご無沙汰してしまいますが、こうやってコメントもくださって感謝です。
今回は割りと大きかったので、イメージどおりの絵になってくるまでに時間がかかり、ようやく見えてきたのが完成する10日くらい前。それから一気に手前の実を仕上げていきました。兎に角クリスマス前にアップしなきゃならないので焦りました~。
課題も残りましたので、またコツコツやっていこうと思います。
ポインセチアをメインに、クリスマスを彩る赤い実の植物。
そして木の実。素敵な組み合わせのアレンジメントですね♪
kyouさんらしい、絶妙な配置で素敵です。
それぞれの植物の表情を読み取り、配置していく、
経験とセンスがきらりと光っています。
>もみじさん
見てくださって有難うございます。お手数かけてすみませんでしたm(_ _)m
構図には悩みました。課題が沢山残りました。
ブラッチーシトン、面白いですよね。なんだか口が開いたみたいでヘンテコです。さやの内側に毛が生えているのが難しかったです。
ドイツトウヒは5個入りのを購入して、もっと大きなものもあったのですが恐れをなしてやや小ぶりにトライでした。
原画は大きいのなかなか持っていけず、お見せしてないんですよ~。
kyouさん!やっとアップの絵が拝見出来るようになりました♪
素晴らしい大作ですね。
真っ赤なポインセチアを取り囲むように、一つ一つの植物が配置良く納まり、クリスマスの雰囲気に酔わせていただきました。
手前に描かれた実たちが、とっても素適!
ブラッチーシトンをご覧になって絵心が掻き立てられた気持ち!良く分かります。
ドイツトウヒの実は15?ですか。
観ていると指先でコロコロと転がしてみたい衝動に駆られました(*^_^*)
原画を観られた生徒さんたちの歓声が聞こえてくるようです。
>ワインさん
見てくださってどうも有難うございます。
おっしゃるようにアレンジは素材や構図を考えるのが難しかったです。楽しさもありましたけど、最後まで思ったように行くかどうか読めないところもありますよね。
今回は素材を途中で変えたりして、まあ成るように成れという感じもありました。終わって良かったというのが本音です。
kyouさんの植物画、いつも楽しみに拝見しています。アレンジというのはデザイン感覚も必要で、センスや遊び心がないとできませんね。こんな素敵な組み合わせのクリスマスの植物画が壁にかかっていたら部屋がぱっと明るくなりそうです。ポインセチアは品種改良がしやすいのか、本当にたくさんの色が出回るようになって、みていて楽しいですね。
>ちろりんさん
どうも有難うございます。色々試してみた作品なのでそう言っていただけて嬉しいです。
凄く好い作品ですね。
>ゴンベッサさん
褒めていただき嬉しいです。作品がなかなか終わらず、ネットを見るのもブログを書く気力もなくなってしまって。やっとホッとしてます。
世界ラン展の入選展示、おめでとうございます。ゴンベッサさんこそしばらく作品を拝見しないうちに益々磨きがかかったということですね、本当に素晴らしいです。
しばらく更新がなかったのでどうしたのかなと心配していたのですがいやあ~凄い大作でビックリです。
これだけの作品を仕上げるとなればそれはそれは大変で時間もかかるでしょうね。
しかしよくも綺麗に仕上がって見事な物です。
私もこんなに綺麗に描けるようになりたい物です。
私事ですが今度の世界らん展2016で展示される事になりました。
毎年東京ドームには行っているのですがまさか自分の作品が
展示されるとは自分では無謀なチャレンジかなと思っていました。