「画家の詩、詩人の絵 ― 絵は詩のごとく、詩は絵のごとく 」
先日、平塚市立美術館で開催中の企画展「画家の詩、詩人の絵 ― 絵は詩のごとく、詩は絵のごとく 」を見てきました。
展示は最初に明治から現代までの画家の絵と詩、次に詩人の絵と詩という形になっています。
画家の絵に添えられた言葉(詩や短歌など)は、この企画の意図でもあると思いますが、正にこの詩を具現化したものがこの作品、と思えるほどに絵と詩がぴったり重なるものが多かったです。
言外を知るということがありますが、絵に関しても描かれていない詩を読む事が大切なのかもしれません。また、そういった「詩が感じられる絵」が味わい深く、見るものに何かを感じさせるのではないかと思いました。
画家の場合はどうしても絵を中心に見てしまいますが、詩人の絵と詩のところへ来ても、先ず絵を見てしまいます。まあ、美術館ですからね。
先ず驚いたのがその絵の素晴らしさで、画家の詩より詩人の絵のほうがレベルが高いんじゃない!?なんて思うほどでした。
画家も詩人も、作品として絵と詩の間に齟齬がなく、芯がブレず、当たり前ですがその人の表現として統一感があり、どの作品も魅力がありました。
ふと、彼らの心の中に浮かんでくるものは絵が先か、言葉が先か?などと考えました。
創作の原点であるインスピレーションというか詩情(ポエジー)の大切さを感じる企画展だったと思います。
また、心に引っかかったものに何らかの形を与えてやり表に出す、それがその人の生き方になっている、ここに展示された人達はそういう人達でそれを芸術家と言うのだと思いました。