『雑草に学ぶ「ルデラル」な生き方』
- 作者: 稲垣栄洋
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
- 発売日: 2012/12/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ルデラルとは荒れ地を生きる植物を指し、道端などに生えてる雑草のことだそうです。
雑草はどこでも生えてくる強く頑丈な植物というイメージですが、むしろ弱い植物だというのです。なぜなら、彼らは多くの植物が生えている森などでは競争に負けてしまい生きらず、またサボテンのように砂漠などの過酷な環境に耐えられる植物でもないからです。
では、そんな雑草がどうやって生き残っているのか?この本ではいわば「弱者の生き残り戦略」を提示しています。そしてそこから私達が生きていくための教えやヒントを見いだせるのではないか、と問いかけているのです。
面白かったのは、よく言われる「雑草魂」についてです。
雑草は踏まれても踏まれても立ち上がる不屈の精神の象徴のように言われていますが、本当のところは一度や二度は立ち上がるそうですが、何度も踏まれたら立ち上がらないそうです。タンポポなどは伸びずに低い位置で花を咲かせさっさとタネを作ってしまう。立ち上がることが大切なのではなくタネを残すことに徹するわけです。
つまり、単純な精神論ではなくもっと合理的な生き方をしているのだそうです。
また、外国では雑草の意のウィード(weed)には良い意味は全く無く、厄介者とか嫌われ者としか使われないそうですが、日本では「雑草のように逞しく」は褒め言葉になります。そんな日本と外国の違いや日本人の自然観に触れたところも大変興味深かったです。
“ 『雑草に学ぶ「ルデラル」な生き方』” に対して2件のコメントがあります。
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>ワインさん
>自分にとってもっとも適した状態を選んでそれに従っているわけですね。
そうですね。人はつい擬人化して「ど根性ナントカ」とかって言いますよね。それも良いと思いますが、根性とかではなくて、その植物が自分を活かすニッチを見つけた、チャンスを活かしたってことですね。
>立ち上がることが大切なのではなくタネを残すことに徹する・・・
自分にとっての優先順位って大切ですよね。人は皆それぞれ違うんでしょうね。
「ルデラルな生き方」っていう表現が面白いですね(^^)つまり、合理的に生きるっていうことと考えたらいいのでしょうか。植物も昆虫も、自然界にいきる生物たちは頭で考えているわけでもなく、自分にとってもっとも適した状態を選んでそれに従っているわけですね。>立ち上がることが大切なのではなくタネを残すことに徹する・・・なるほど、世の中の多くの人々にそう言ってやったらどう反応するでしょうか。ちょっと面白いかも。