《ツユクサ》
以前、教室でツユクサを描いた方が「花が小さく、すぐ萎れてしまうのですごく大変!」とおっしゃっていたのが気になって、描いてみることにしました。
朝、近くの公園に生えているのを何本か拝借。よく見る花ですが、描こうと思ってじっくり観察すると実に複雑です。
花はハートを二つ折りしたような苞(ほう)から突き出るように咲いて、花弁は3枚です。2枚の青い花弁が目立ちますが、よく見ると雌しべや雄しべの下に目立たない白い花弁が1枚付いているのが分かります。
雌しべは中心に1本、雄しべは雌しべを挟んで上に3本、下に3本付いています。上の3本はX型(リボン型)の葯で目立ちますが、花粉は殆どありません。下の3本のうち2本は手前に長く伸びていて0型の葯で花粉が沢山あります。残りの1本は上下の中間辺りに伸びていて葯はY型(人型)で花粉も結構あります。
《ツユクサ》部分
描いていると、あれよあれよ言う間に雄しべや雌しべがクルクルと丸まって中心に向かっていき、薄く青い花びらは無常にも萎れていきます。
写真にも撮りましたがやはり実物がないとダメです。でも、幸いなことにツユクサは非常に丈夫で、バケツにつけておくと節の辺りから出ていた根がどんどん伸びて、灼熱のベランダでも元気に育っていました。種も次々に苞の中に作られていき、これは増えて困るだろうなぁという感じ。花は儚いですが、実に頑強な植物です。
他にも調べてみると、花がしおれるときにクルクルと雌しべや雄しべを巻き込むので、虫が来なくても自動的に受粉できるとか、雌しべの無い雄花もあるなど、知らなかったことが沢山ありました。
今回は花が小さいので上に載せた拡大図を作品に入れました。また、ツユクサを水に差した時に水滴が偶然付いていて、きれいだったので描き込んでみました。細かくて描いていて嫌になりましが、そこだけはちょっと楽しめました。
《ツユクサ》部分
作品はこちら→《ツユクサ》
“ 《ツユクサ》” に対して6件のコメントがあります。
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>ワインさん
こういういわゆる雑草系って花が小さくて難しいですよね。ワインさんは以前キュウリグサなどもっと小さいものを描かれていて凄いなぁと。
鉛筆画を描き入れながら、構造の妙に見とれました。
あら、ツユクサ!さすがにkyouさんはきっちりと構造を観察して描いていらっしゃいますね。私もいっぱい採ってきたツユクサをどっさりバケツにつけておきました。
>もみじさん
>一度は描いてみたいと絵心を誘われるのですが・・・
こういう可憐な花って苦手なんですけど(笑)ちょっと挑戦っていう感じで。
私も一度は描いてみたいと思う植物が目白押しです。
拡大図は花があまりに小さいので、そのままでは花の構造が伝わらないと思って入れました。
コメント欄でミリが上手く変換されなかったようで、すみませんでしたm(_ _)m
朝露に包まれ早朝に咲く綺麗なブルーの花!
一度は描いてみたいと絵心を誘われるのですが・・・
kyouさんの20?のデッサン図を観て絵心も遠ざかりました(笑)
花びらのブルーが瑞々しく一滴の水滴に惹かれます。
シベがとてもユニークですね。
>きよぴーさん
>花の小ささと一日花のため未だ描いたことがありません。
私も初めて描きました。いや~、難しかったですが、ツユクサがこんなに興味深い植物だと知ることが出来て良かったです。
ボタニカル作品に水滴ってたまに見るじゃないですか、一度やってみたかったんです。面白くて癖になりそう(笑)
道端に咲くつゆ草、花は一日花ですが、その生態はびっくりするほど逞しい植物ですね。
青い花に惹かれて描いてみたいなと思いつつ、
花の小ささと一日花のため未だ描いたことがありません。
花の拡大図にワクワクしてしまいました。
詳しく観察するといろいろと発見があって楽しいですね。
ひっそりと葉っぱについている水滴、こんなアイディアも素敵です。