「ロイヤル・アカデミー展」

 先日、八王子にある東京富士美術館で開催中の「ロイヤル・アカデミー展 -ターナーからラファエロ前派まで-」を見てきました。

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「英国美術の殿堂」であるロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ。本展では、そのコレクションの中から1768年の設立当初から20世紀初頭までの絵画を展示、アカデミーを中心とした英国美術150年の歴史を辿ることができます。

 今回、是非見たかったのがローレンス・アルマ=タデマ《神殿への道》とジョン・ウィリアム・ウォーターハウス《人魚》でした。

 アルマ=タデマは古代ギリシャを題材にした作品が多く、特に白い大理石に青い空、青い海が迫真の超絶技巧で描かれているのが特徴。《神殿への道》では外光の明るさはありませんが、後景に神殿へ入っていくディオニュソス信奉者が描かれ、足元は大理石、奥は海となっていました。

 

この展覧会とは関係はないのですが、私の好きな絵は《期待》という作品。完璧な美とはこういうものかと。

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ローレンス・アルマ=タデマ《期待》

 ウォーターハウスの《人魚》は、去年の「夏目漱石の美術世界展」にも展示されていた作品。鱗も生々しい魚の下半身と、若く美しい女性の上半身の対比が妙にリアルなのが魅力的です。

 他で印象に残ったのは、ウォルター・シッカート《サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂、ヴェネツィア》

 シッカートはパトリシア・コーンウェルの著書『切り裂きジャック』において、「彼こそ真犯人である」とされた人物。何年か前に興味深く読みましたが、その後シッカートの絵を見ると、どうもそういう目で見てしまいますね。《サルーテ聖堂》は小さな作品ですが、モンス・デジデリオの廃墟のように危うい感じがしました。

切り裂きジャック

切り裂きジャック

  

 

 企画展を見終わってから、常設展示の「ルネサンスから現代まで」と館蔵品展の写真「ピクトリアリズムの作家たち」へ。こちらも充実していて、ずいぶん得した感じです。

 特に常設で花卉画や静物画の素晴らしい作品もあって私には嬉しい限りでした。また、作品クレジットにQRコードが付いていて、スマホで説明などを見られるのも便利でしたね。

 

 全部見終わると流石に疲れましたが、ゆったりと良い時間を過ごすことができました。

  

 

東京富士美術館 「ロイヤル・アカデミー展 -ターナーからラファエロ前派まで-」

 「ロイヤル・アカデミー展」” に対して2件のコメントがあります。

  1. kyou2 より:

    >ちろりんさん
    コメント有難うございます。ちょっと遠かったので、夫と車で行ってきました。
    目が悪くなったので、描く時と見るときでは違うメガネを使ってます。間違って持っていかないようにするのが面倒ですよ。

  2. ちろりん より:

    素晴らしい展覧会を鑑賞されて好かったですね。羨ましいです。

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