「おいしいアート 食と美術の出会い」展
横須賀美術館で開催中の「おいしいアート 食と美術の出会い」展に行ってきました。
初めて行く美術館だったのですが、海の直ぐ側にあり天気も良かったので「気持ちのよい美術館だなぁ」というのが第一印象でした。
横須賀美術館正面入口
企画展の内容は、副題に有るように古今東西の食に関わるものでした。食材の狩猟、収穫から、果実、野菜、魚等の静物画。バッカスの神話もあれば、レオナルドの《最後の晩餐》をテーマにした作品もある。日常の食卓風景から、かの《キャンベル・スープ》あり、トミカに乗った食品サンプルありと盛り沢山です。
色々あったのですが、やっぱり一番良かったのは、中村 彝の《静物》でした。 リンゴなどの果物が、キャンバスの目が分かる感じの薄塗りでカッチリと描かれていて、白い皿と敷いてある白い布とのコントラストが美しく、お皿の青いラインが一層印象を鮮明にしていました。
もう一つは藤田嗣治の《動物宴》 擬人化された動物が食卓に着いて、宴の真っ最中。独特な下地の美しい色に軽妙な筆遣いで描かれた動物たちの姿が魅力的。壁にかかった絵が如何にも藤田の裸婦図なのも面白いです。
リーフレットになっていたスーパーリアリズムの上田 薫の《サラダ B》は、大きな作品とは知らなかったのでびっくり。野菜や果物の質感、スプーン写り込んだ自画像も見応えがありました。
大きいので、べりー類の彩色から油彩と水彩の描き方の違いを改めて感じました。
日本のポップな作家の作品は、私の感性では追いつかず…撃沈。
見終わって、普段は比較的ピンポイントな展覧会を見る事が多いので、この企画展の「ごった煮感」には面を喰らいましたが、様々な作品を見ることが出来たのは興味深かったです。
とは言え、今回一番素晴らしかったのは、観音崎公園に隣接した場所にある横須賀美術館そのもの、かもしれません。
目の前が海で屋上からの眺めが最高でした。 写真をあまり撮らなかったので、こんなのしかありませんが(笑)
屋上からの眺め
館内は開放的で、展示スペースも広く、所々で吹き抜けになっていて、面白い場所から下の階の展示が見えて新鮮でした。常設展も充実していました。
図書館はフラッと気兼ねなく入れる雰囲気で、誰でも美術関係の本や雑誌が自由に閲覧することができます。ここでかなり長居しましたね。
連休の一日、良い時間を過ごせました。また機会があったら是非訪れたい美術館です。
“ 「おいしいアート 食と美術の出会い」展” に対して6件のコメントがあります。
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>きよぴーさん
> 横須賀美術館、好きな美術館の一つです。
そうでしたか。本当に良い美術館ですね。空間も時間もゆったりという感じですね。
> エントランスから振り返った時、丸窓の中を
> 船がゆっくり進む風景を目にしました。
> 絵画が生れる瞬間を目撃したような気がした一瞬でした。
それは印象的ですね、素晴らしい!二度とない貴重な体験でしたね。
横須賀美術館、好きな美術館の一つです。
絵画鑑賞より、カフェからずっと海を見ていたいなといつも思います。
我家からは遠いので、度々行けないのが残念です。
初めて行った時に、
エントランスから振り返った時、丸窓の中を
船がゆっくり進む風景を目にしました。
絵画が生れる瞬間を目撃したような気がした一瞬でした。
>みちこさん
FBとこちらにもコメント頂きありがとうございます。
>素敵なファサードですね。背景の森の稜線と釣り合わせている。
本当にそうですね。風景を壊さず周りに馴染んでいる建物ですね。
何だか予想外の内容で、いつもは見ることのないものを沢山見られたのは面白かったかも。
お~、風光明媚で素敵な結婚式ができそうですね。
素敵なファサードですね。背景の森の稜線と釣り合わせている。面白い企画だったみたいですねえ。この美術館は結婚式もできるはずです。
>ワインさん
ワインさんもご夫婦で行かれましたか。ウチも同様でした。
レストランは連休のせいか凄く混んでいて、順番待ちしていました。いつか平日に来て入ってみようかしら。
谷内六郎の展示は時間がなくなってしまい、見ず仕舞いでした。「週刊新潮は、明日発売…」というTVCM懐かしいですよね。
>いろんな人が楽しんで来られると言う点でも・・
そうですね。ミニカーの上にお寿司やおでんが乗っていて、これはどういう事?って謎でした(笑)
横須賀美術館には一度夫とふたりで出かけたことがありますが、海がすぐ向こうに見えて本当に気持ち良い美術館ですね。レストランもなかなか良いですね。谷内六郎の展示室にも行かれましたか?
「ごった煮」感のある企画展、連休にはそういうのも良いものかもしれませんね。いろんな人が楽しんで来られると言う点でも・・