「生誕120年記念 須田国太郎 ―珠玉の上原コレクション―」

 先週、遠出をして下田市の上原近代美術館と、熱海市のMOA美術館へ行こうということになりました。

 東名で沼津まで行き、そこから中伊豆に入り、天城越えして下田に入り上原近代美術館へ。その後、伊東で一泊して、翌日は熱海のMOA美術館を見てこようというプランです。

 車に座りっぱなしだと腰が辛いし、折角だから天城の「浄蓮の滝」を見てきました。

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 深緑色の水がとても神秘的でした。滝の脇に生えているシダはハイコモチシダ(別名ジョウレンシダ)と言って、ここで発見された珍種だそうです。遠目には普通のシダのようにしか見えませんでした。

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 一緒に行った夫が「結婚したての時に見に来たよね、このわさび漬のお店も覚えている。」と言うのですが、私はま~ったく覚えていません。30年近く経ったし、ままあることです。

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 わさび田は水が澄んでいて冷たそうでした。

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 ワサビ(アブラナ科 ワサビ属)

 アブラナ科の花は、花びらが4枚で十文字になっていて皆似ています。大根、キャベツ、白菜、小松菜、ブロッコリー、菜の花などがそうで、野菜が多いですね。

アブラナ科の植物

 途中、「道の駅 天城越え」で、猪汁うどんを食べました。豚汁のイノシシバージョンの中にうどんが入っているもので、うどんは中太のシコシコ麺で美味しくいただきました。

 さて、お腹も落ち着いて一路下田の上原近代美術館を目指したのですが、これが遠かった! 何故こんな山の中に…という感じもしましたが、着いてみるととても立派な美術館でした。

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 こちらで開催中の「生誕120年記念 須田国太郎 ―珠玉の上原コレクション―」をゆったり見ることができました。

 印象に残った絵はスペインの荒涼とした風景を描いた《ハッカ》です。 画集で見た時はもっと大きな絵かと思いましたが、まず意外なほど小さいのに驚きました。

 画面の左上から巨大な岩山が覆いかぶさるように在り、右下の小さな箱のような一軒家と対峙しています。色は全体に薄茶色で空も白っぽく、厚い絵具の層から見え隠れする微妙な色彩と、それらが作り出すマチエールに存在感がありました。

 《夏花》は全体に暗い色調で、花の形も鮮明ではないのですがアイリス、ナデシコ、アザミ、ヒナゲシ(?)が見て取れました。花そのものを描いているのではなく、花の優しさ、華やかさ、可憐さなど、花を通して見る甘美な世界が描かれていると思いました。

 美術館の中に寛げる休憩室があり、ソファに座わると里山の景色が見えます。壁際に書籍やパンフレットが自由に手に取れるようになっていて、先日読んだ『須田国太郎 絵画を読む』も置かれていました。

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 駐車場脇の階段に並んでいたお地蔵様。この美術館ができるずっと前からここを見守っていたのでしょうね。

 ゆっくりとした時間を過ごした後、伊東の温泉旅館で一泊。

 

 

 翌日は熱海のMOA美術館へ寄りました。開催していた展覧会は「廣重 東海道五十三次展」で、有名な保永堂版を中心に隷書版、行書版が展示されていました。

 近頃は、浮世絵は北斎、国芳、暁斎、芳年など、エキセントリック系、奇想の系譜が目を引くので、広重の調和のとれた構図や花鳥風月の情緒が少々物足りなくも感じましたが、描かれている江戸の風景や人物の服装、しぐさを見るのはやっぱり楽しいものでした。

 面白い説明書きがありました。 

 「旅支度 (一般的な旅人の持ち物)」 

 ・ 通行手形

 ・ 衣類(下着、下帯、股引、脚絆、足袋、手甲、腰帯、道中羽織)

 ・ 手ぬぐい

 ・ 鼻紙 

 ・ 矢立 

 ・ 道中案内書

 ・ 日記帳 

 ・ 薬類 

 ・ 風呂敷 

 ・ 提灯

 ・ ろうそく

 ・ 火打道具

 ・ 付木

 ・ 針

 ・ 糸

 ・ 印判

 ・ 磁石

 ・ 枕

 ・ 合羽

 ・ 綱

 ・ 印籠

 ・ 巾着

 ・ 傘

 ・ 煙草道具

 ・ 脇差

 ・ 扇子

 ・ 算盤

 相当な荷物じゃないですか!

 日暮れまでに宿に着かなきゃ大変だ、足元を照らす提灯が必要になる、そうなれば火打道具も必要、ろうそくだって替えの一本もなければ心もとない。ってな具合でしょうか。

 当時の旅は相当リスクもありそうですが、行ける人も行けない人も、広重の描く名所や名物を眺めるのは安全な楽しみです。テレビの旅番組を見ながら行きたいなぁと思うのと同じですね。

東海道五十三次

MOA美術館

 「生誕120年記念 須田国太郎 ―珠玉の上原コレクション―」” に対して1件のコメントがあります。

  1. kyou2 より:

    >ワインさん

    滝壺の水の色は、描くとなると難しい微妙な色ですね。
    ワサビは花はちょっと美味しそうで、菜の花のように食べられるのかしら?と思いました。

  2. ワイン より:

    ご主人さまと二人で一泊旅行を楽しまれたんですね?(良いな~❤)写真、とてもきれいに撮れていますね。ワサビ田なんてみずみずしくて緑がとても爽やかですし、滝もとてもよく撮れていますね。こういう小さな旅って良いですね。

  3. kyou2 より:

    >後藤さん

    いやいや、お恥ずかしいです。
    絵も人も縁だなぁと思います。
    名前さえ知らなかった美術館で、良い絵と出会えました。

  4. 後藤純一 より:

    kyouさん、こんばんは。

    写真がきれいなのに、注目です。
    絵の力量のある人は写真もという
    ことなのでしょう。

  5. kyou2 より:

    >みちこさん

    > ははあ~、納得です。なるほどねえ。私も旅番組は見ますが、日本のテレビでは、旅館の料理と温泉が主役ですよね。風景は脇役。
    > 昔は、あまり旅に行けないので、やはり自分の住んでいるところとまったく違う風景や人の暮らしぶりに興味があったんでしょうね。

    そうですね。やたら絶品を連発していますね(笑)日常離れてリセットできるのがいいですよね。
    好奇心は昔も今も変わらないですから、旅シリーズの人気もうなずけますよね。

    > ただ、どれも、すご~くコンパクトに作られているんですよね。算盤とか、矢立とか、まるでミニチュアみたいに小さくて、面白いですよね。

    なるほど。そう言えば。日本人ってコンパクトにするの昔から得意技で、大好きですよね。
    きっと、小さくても模様に凝ったり、おしゃれなんでしょうね。

  6. みちこ より:

    当時の旅は相当リスクもありそうですが、行ける人も行けない人も、広重の描く名所や名物を眺めるのは安全な楽しみです。テレビの旅番組を見ながら行きたいなぁと思うのと同じですね。

    ははあ~、納得です。なるほどねえ。私も旅番組は見ますが、日本のテレビでは、旅館の料理と温泉が主役ですよね。風景は脇役。
    昔は、あまり旅に行けないので、やはり自分の住んでいるところとまったく違う風景や人の暮らしぶりに興味があったんでしょうね。

    一般的な旅人の持ち物って、すごい量ですね。ただ、どれも、すご~くコンパクトに作られているんですよね。算盤とか、矢立とか、まるでミニチュアみたいに小さくて、面白いですよね。

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