「JGSボタニカルアート展」
毎年公募をおこなっている日本園芸協会(JGS)主催の「JGSボタニカルアート展」に応募した。
実家の庭に子供の頃からあるプラムを描いた。
締め切りは9月のはじめで、約一ヶ月気掛かりだったが、ついにポストに通知が届いた。
恐る恐る封筒を切って‥‥しょうがない思い切って見るか! と思って見た。
シンプルに 「プラム」 大賞 とあった。
身体に力が入るような、入らないような感じで、「やったー!」と、傍にいた夫や娘と抱き合ってしまった。
プラムの花を描き始めたのは、3月の終わり頃だった。実を組み合わせる予定だったので、その分の余白を充分に取って、デッサンを始めた。
細かい白い花を一つ一つデッサンするのは本当に大変だった。でも、手を抜くわけにはいかない。
デッサンを終えて、彩色。輝く白を残すために細心の注意を払うようにした。また、実を入れたときのバランスを考えて八分止まりの仕上がりにして、筆を置いた。
その間、ずっと実が生るのを待つのだが、大きさや色の具合があって、結構気をもんだ。
6月になって実家に行き、何本か枝振りの良いのをもらってきた。持ってくる途中や花瓶に挿すとき実が落ちて、その度にひやひやした。
花が描かれているところに、トレペにラフにデッサンした枝を使って構図を決める。位置が決まったら直接デッサンをして、彩色。終盤は花とのバランスを見て、両方の仕上げ。
その後、余白部分に実の断面図と種を描き込んだ。全体を見渡し最終チェック。
彩色は精密にしていくところと、ラフに淡彩風にするところと自分なりに変化をつけ、飽きない画面になるように心がけた。
常に果物のもつ豊かさや瑞々しさ、毎年「何てきれいなんだろう!」と思ってきた感動を忘れないように描いた。
全体が仕上がったのは8月だったと思う。それから額装して期日に間に合うように提出した。
‥‥思えば長かった。作品が認めてもらえて心底嬉しく、ありがたい気持ちで一杯だ。
展覧会は毎年銀座だったが、今年から上野の「日展会館」で開かれる。期間は3日とかなり短い。
過去の大賞受賞者の作品も展示されるそうで、私はそれをとても楽しみにしている。
と言うのも、「JGSボタニカルアート展」に応募したのは今度で二度目。しかも前回は落選!
だから私もこの展覧会を見るのは初めてなのだ。信じられないことだけど。
☆お近くにお越しの際は、どなたでもお気軽にお入りいただけるので、どうぞ緻密で美しいボタニカルアートの世界を覗いてみてください。
「第21回 JGSボタニカルアート展」
会期
2009年10月23日(金) 午前10時~午後4時半
2009年10月24日(土) 午前10時~午後4時半
2009年10月25日(日) 午前10時~午後2時
会場
日展会館
台東区上野桜木2-4-1
日展展会館 2F
TEL 03-3821-0453(会期中のみ)
JR上野駅公園口より徒歩18分、JR鶯谷駅北口より徒歩5分。
主催 日本園芸協会
未公開作品の応募ということで作品の画像がまだありません、作品が返却され次第、拙HPにアップしようと思っています。