『クライマーズ・ハイ』
『クライマーズ・ハイ』 横山秀夫 (文春文庫)
1985年、未曾有の大惨事である日航機墜落事故が起きた。
地元・群馬県の地方新聞社「北関東新聞」に席を置く記者・悠木和雄は、直ちに事故の全権デスクに任命され、以後昼夜もない激烈なる数日間を送る。それは正に彼の人生を変えるものだった。
事故そのものに焦点を当てるのではなく、その大惨事を受けての一新聞社内での群像劇で、一気に読ませる小説だった。
地方新聞社の内情や、記者とはどういうものか、組織とは何かということに、癖のある登場人物がそれぞれ持ち味を出していて面白かった。
しかし―良きにつけ、悪しきにつけ男の人って会社の呪縛があるなぁ。というのが正直な感想だ。
泣かせ所は予感があってちょっと白けたが、如何にも男性好みの小説という感じもした。