『男女(オスメス)の怪』

男女(オスメス)の怪

『男女(オスメス)の怪』 養老孟司/阿川佐和子 (大和書房)

阿川さんが養老先生のご自宅を訪ねてお話をうかがったものを纏めたそうで、寛いだ雰囲気の対談集だ。

例えば、男はどうして口下手なのか、という話では

阿) 男と女だと脳が違うんですか。

養) 違うんです。男のほうが脳の左右の差が大きいんですね。ところが左右の独立性は男のほうが高いんです。

阿) へえ

養) 脳の右と左は脳梁(のうりょう)という連結キットでわざわざつなぐんですよ。その脳梁は昔から女性のほうが太い。つまり連絡がいいんです。そうすると、言語は左脳にあるけれど、右脳でも使うことが出来る。実際に調べてみると女性の場合、言後に関しては両脳使いが多いんです。

阿) おもしろい!普通の男は脳梁が細くて連絡が悪いから、言語に関しては左脳しか使えないんですね。

養) だから、男は口下手なんですよ。

阿) ちゃんと理由があるんですね。     (p82~83)

男の人でも脳梁が太い人、両脳使いの人もいるそうで、左脳の卒中を患ったのにちゃんと話している山川静夫さんや、喋りの上手い古舘伊知郎さんあたりはそうだろうと話しているのが面白かった。

司会が上手い芸人さんは、結構そのタイプが多いのかも。

丸谷才一の『文章読本』の中で、井伏がちゃぶ台の上で遊んでいる雀だけを2ページにわたって書いていて、その文章が全く飽きさせない。と書いているという話からは、

養) でも、もうすでにそれを評価しないでしょう。僕がこういう話をすると、学生は「先生、ひと言でまとめると?」って言うんですよ。何でもひと言で言えると思っている。それの延長が「説明してください」。何でも言葉に出来ると思っている。    (p193)

言葉は言葉でしかなくて、問題は人間の側にあるのかもしれない。養老孟司の本を読んでいると、私は考えが追いつかなくて、「えっ、どういう意味?」と思うことがよくある。

「言うことは言った、後は自分で考えろ。」ということなんでしょうね。