『べっぴんぢごく』
『べっぴんぢごく』 岩井志麻子 (新潮社)
明治の岡山、村の分限者の一人娘が死に、乞食行脚をしていて母親が惨殺された乞食の娘・シヲがその家の一人娘として育てられることになった。
汚れを落とし、乱れた虱頭を整えると、シヲは目を見張る美少女だった。
時が経ち、シヲは結婚して醜い女の子を産む。
以降、美女と醜女が交互に産まれ、ついにはこの世に生まれてはならないものまで‥‥。その呪われた女系家族の歴史を描いたもの。
『ぼっけえ、きょうてえ』と同じ路線で、内容は予想したとおりの展開だった。美女と醜女どちらとも、表面的な美醜の話に終始して、いずれにしても心が醜い人間ばかり、と言う感じだった。
こんな感じだと分かっていながら、表紙の甲斐庄楠音のゾクッとする美人の誘惑に負けて買ってしまったけどね。