花の都の人間模様

しばらく落ち込んで更新しないでいたら、ますます更新し辛くなり‥という、悪循環のドツボに見事に嵌っていた。ダメな自分が嫌になる。

本当にコンスタントにブログを更新できる人って、すごいなぁと思う。

以前ブログに書いた《舟木本洛中洛外図屏風》を見に、上野の東博へ行ってきた。

第一印象は意外と暗いな、という感じだった。

館内の照明が暗いせいもあるが、画集やパソコンでもう少し明るい画面を見慣れていたせいだと思う。

全体にくすんだ感じがして、最初はとても細部の人物にまで集中できない感じだった。

けれど、次第に目が慣れてくると、描かれている京の都の場面場面に自分が引き込まれていくようだった。

《舟木本洛中洛外図屏風》は六曲一双の屏風で、右隻・左隻を隣に並べて一枚の画面としてみる形式だ。

まず目に付くのは、右隻の豊臣家ゆかりの方向寺大仏殿(現在は無い)と、左隻の徳川家ゆかりの二条城。

両者が対峙する形になっているのが大きな特徴的だ。

視線は、まず右隻の方向寺大仏殿。それから五条大橋(鴨川が大きく斜めに流れている)を渡って、左隻の母衣武者行列、御所、二条城へと繋がっていく感じ。

やや距離を置いて全体を眺めると、五条大橋の上の人物群の動きや、母衣武者行列の方向などの右から左への動き、鴨川や屋並、城郭などが造る「斜めの線」が強調されていて、とても流動的でリズミカルだ。

一つ一つの場面を見ていくと、それこそキリがないほど見所が満載だ。

各場面ごとに絡み合う人間関係がリアルで面白い。どこかテレビの実況中継を見るような感覚もある。

老若男女、貴人から物乞い、子供や動物が、京のあちこちにその時を生きている。何だかみんな頑張っているなぁ、という感じがする。

永徳筆の上杉本に比べて、圧倒的に人間臭い洛中洛外図だと思う。

もっと勉強してから見れば、服装や持ち物が何を表わしているか、どんな身分のどんな職業なのかなど、判読も出来て面白さも倍増するだろう。

この次に見るときは、もっと理解が深まるようになっていれば幸いだけど。

ただ本当に画面が暗く、思ったより人物も細かくて、肉眼で確認するのはかなり大変だ。

パソコンで各場面を確認してから、原画を見た方が分かりやすいなあという感じだ。

実は今回絶対原画で確認したい二つのものがあった。

一つは、母衣武者行列の先頭あたりに、真正面にこちらを向いている男。

ギャラリースコープを通してその男と目が合うと、まるで覗き見しているのがバレた、というような感じになって可笑しかった。

もう一つは、五条新町通を疾走する武士の一団の中で、同じく真正面にこちらを向いている馬。

人間のようにビックリしたような顔が面白かった。

どちらも絵師の遊び心を感じる。とても小さくて、知らなかったら見過ごしていただろうな。

「東京国立博物館」

http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00

《舟木本洛中洛外図》

http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?&pageId=E16&processId=02&col_id=A11168&ref=2&Q1=&Q2=&Q3=&Q4=11412_17_____&Q5=&F1=&F2=