無理は百も承知で‥
『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』 リサ・ランドール著/向山信治監訳/ (NHK出版)
先月だったと思うが、朝のニュース番組の中で、リサ・ランドール博士という方をはじめて知った。
近年最も注目を集めている理論物理学者の一人だそうで、おまけにジョディ・フォスターばりの知的美人だ。
放送によると、博士は「異次元は存在する」という理論を確立し一躍注目の存在となり、さらに来年にはスイスで各国が参加した大型ハドロン加速器(LHC)を使っての実験が行われ、博士の理論が実際に証明されるかもしれないとのことだった。
「凄い! 全然知らなかった。世の中そんなことになっていたのか~!」
そんなわけで、無謀にも放送の中で紹介されていた『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』を読まなければ! と思ってしまった。
『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』は、博士の提唱する理論を、数式を一切用いずに解説し、身近なたとえを用い、各章の初めにはファンタジー(博士は「不思議の国のアリス」が愛読書とのこと)が、その章を象徴するものとして書かれている。
普通の人にも分かり易い内容になっているとのこと(そう件の放送では言っていた)だったが、私にはとても難しくかなり苦労した。
600ページを超える本を読み終えて確実に分かったのは、自分の馬鹿さ加減だったというのも残念というより爆笑ものだ。
ボンヤリ分かったのは、どうも私たちの存在している宇宙は、5次元宇宙の中に浮かんでいるブレーン(膜)のようなもで、しかも私たちはブレーンに張り付けられているので、他の次元へは行くことも見ることも出来ないものらしいということ。
また、ブレーンは幾つかあって、ブレーン間を行き来できるのは、重力だけだそうだ。
読んでいて重力ってのはすごく不可解なものなのだと、今更ながらに思った。
相対性理論、素粒子物理学、超ひも理論など、使われている用語自体も分からないので説明を読んでも到底理解できないのは当然のことだが、分からないながらも読み進めることが出来た。
何故なら、ありがたいことに、興味と想像力だけでも十分楽しめるようになっているからだ。
自分では全く想像すらできない事を、この本によって想像することができたり、現在行われている研究を垣間見ることができたり、それだけでも私にはとても有意義な本だった。
8月25日にBSで、「未来への提言 特別編 リサ・ランドール 異次元への招待」という番組をやっていて、録画しておいて娘と一緒に見た。
本をあらかた読んでから見たが、こちらはずっと親しみやすい内容で、茂木健一郎さんとの対談もあり面白かった。
「まず問いを見つけられたものが、答えも見つけられる。」というような事を話されていて、なるほど核心を突いているなと思った。
再放送もされるようだ。
「BS特集 未来への提言 特別編 リサ・ランドール 異次元への招待(再)」
BS1 9月17日(月)後1:10~2:00
http://www.nhk.or.jp/bs/teigen/
どうも、こちらの方を先に読んだ方が良かったかもしれない。 読んでみようかと思っている。