一気読みでしょ。

ハサミ男 (講談社文庫)

『ハサミ男』 殊能将之 (講談社文庫)

物凄く面白いと評判だった本、やっと読んだ。

実は以前、この本の書評が気になって、本屋へ買いに行ったことがある。

ところがタイトルも作家もうろ覚え、「確か‥‥何とか男だったよね~」と思って『脳男』っていう本を買ってしまった。

『脳男』は首藤瓜於、シュノウとシュドウだし、微妙にカスるんでごっちゃに‥‥?

まぁ、こちらもサヴァン症候群の超人が出てくる面白い小説だったので、結果オーライだったけど。

そんなで、しばらく忘れていたのを思い出して、今度はちゃんと読んでみた。

これが久々の一気読み!しばらく殊能将之を読んでしまいそう。

あらすじはというと、

連続して二件の美少女殺人事件が起きていた。

特異なのは、どちらの死体にもハサミが突き立てられていたこと。

マスコミは犯人を「ハサミ男」と称して過熱報道するが、犯人の手がかりは全く無かった。

そしてホトボリも冷めた今、またしてもハサミが突き立てられた死体が見つかった。

見つけたのは、ハサミ男。

殺されていたのは、ハサミ男が第三の犠牲者に決めていた美少女。

しかし、ハサミ男は殺していない。

ハサミ男を真似て、彼女を殺したのは誰か!?

死体発見者となってしまったハサミ男と犯罪心理分析官をようして「ハサミ男」を捜す警察。

それぞれはどういう経路で、誰へ行きつくのか‥‥。

読者を欺くような言葉のトリック「思い込ませ」が上手いなぁと感心する。

読んでいて、アレッ?ってページを戻ることもあった。

一度読んで、もう一度最初っから読み直すと「う~ん、なるほどなぁ。こう書いているのか。」と唸ってしまう。

しかし、何といっても興味深いのは「ハサミ男」自身だ。

「ハサミ男」という人物を通して見える、人間の不可解さや不気味さに引き込まれる。

そして「ハサミ男」が非常に特殊な人間なのに、誰もそれに気がつかないということが恐い‥‥。

人って、人のどこを見ているのだろう? 

どこを見て、どう判断して、どう納得しているのだろう、と。

誰でも結局、自分が納得したいように見ているだけなのかもしれない。

ゆめゆめ他人を分かったなんて思ってはいけないなぁ、と自戒する。

ハサミは誰でも持っている。

私もあなたも‥‥めったに見せないけれど、持っている。

一気読みでしょ。” に対して1件のコメントがあります。

  1. kyou2 より:

    >羊男さん
    面白かったですね。活字ならではの面白さを堪能しました。
    羊男さんのHPにも「ハサミ男」「美濃牛」出てましたね。
    「ハサミ男」があまりに面白かったので、「美濃牛」探したんですが無くて、「黒い仏」「鏡の中は日曜日」をブックオフで買いました。まだ読んでないのですが。
    ウチの近くのブックオフは大型書店並に大きくて、文庫本は普通の書店以上に揃っていて、この頃は最初ブックオフからチェックする癖がついてしまいました(笑
    おおっ、小栗虫太郎ですか。どうしよう「黒死館」読んでいないですよ。やっぱり読まなくちゃいけませんね~。

  2. 羊男 より:

    おお。kyouさんが殊能将之を読んでいる。
    まずは面白かったようで安心しました。
    「ハサミ男」は小説としては完璧ですね。
    再読もしたくなるし、細部も凝ってますし。
    またそれ以降に出ている石動戯作シリーズはエンターテイメントなのにペダンティックな探偵小説で、私は密かに平成の小栗虫太郎と呼ばせて頂いております。

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