神秘を形に

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新宿から渋谷のBunkamura「ギュスターブ・モロー展」に行った。

モローは印象派全盛の外光溢れる時代に、もっぱら人間の内面に目を向けて、精神的、幻想的世界を描いている。

神話や聖書を題材にモロー独特の官能性、神秘性をゆっくり味わえた。

今回の展示では多数の習作が展示されていて、完成作品と合わせて見ることが出来る。

構図を変えてもの、部分的なデッサンを繰り返したもの、作品を練り上げていく過程が興味深かった。デッサンも実際のモデルを使っての写実的なものから、ラフなものまで様々あった。

私はモローの水彩がとても好きだ。

水彩は、インスピレーション、感性のひらめきのようなものを、すばやく描写できるということ、透明で鮮やかな色彩であるということで、モローにぴったりの画材のように思える。

緻密に描き込まれた油彩より、心の中に仄かに見えるイメージを追いかけるように、一気に絵の具をおいた水彩に、私はとても惹かれる。

印象に残った作品は有名な「出現」と晩年に描かれた「神秘の花」。

特に「神秘の花」はよかった。

白いゆりの花の上に聖母マリアを奉じて、その下にはあまたの殉教者たちが横たわってる。

死屍累々という言葉が浮かぶ。キリスト教の凄まじさを見た思いだ。

犠牲の上に成り立つ、純潔の象徴のマリアの静かなたたずまいが美しかった。

同時にモローの一つの境地のような印象も持った。

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また、画像の油彩(この作品の展示は無かった)は特にその感があるのだが、とても東洋的だ。まるで観音菩薩のように見える。

信仰と形には共通のものがあるように思った。

パリの自宅を整備したギュスターヴ・モロー美術館の写真があったが、ユイスマンスの小説さながらのすばらしさ。絶対行きたい場所だ。

何の心配も無く一人で海外旅行ができるよう、早く娘が大人にならないかなぁ・・・。

神秘を形に” に対して1件のコメントがあります。

  1. takane より:

    モロー展、まだ行けてません。kyouさんのリポート拝見して早く観に行かなくてはと焦っています。
    UPしてくださった油彩、はじめて観ました。私も惹かれます、ぜひ会期中に観に行きたいです!
    私も子供が成長してヨーロッパの美術館巡りをしたいです!

    ちょっと大きくなったので、好きな絵が来た時は一緒につれていけるようになったので嬉しいんですが、割と子供なりに観ているようで少しでも印象が残れば・・と思っていますけれど。
    やっぱり絵はじっくり観たいので自分だけでも行ってしまいます~

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