アストロラーベ
先週「ドレスデン国立美術館展」へ行ってきた。
ドレスデンに居城を定めたザクセン選帝候のコレクション(お宝)が、眩いばかりに展示されている。富と権力と知的芸術的好奇心の賜物と言った感じ。
コレクションは、16世紀の科学計測器に始まり、次にオスマントルコ、イタリア、フランス、東アジア、オランダの絵画や工芸品、最後に19世紀のドイツ・ロマン主義絵画の7セクションになっており、コレクションが如何に多岐にわたっていたを実感できる。
最初のセクションでの科学計測器の数々やデューラーの版画(測定法教則の挿図、星図)などは、機能性と装飾性が相まってとても美しかった。
特にアストロラーベ(天体観測器)は、たしか澁澤の『滞欧日記』で“アストロラーベを買った云々・・”という事が書いてあって、ことばの響きのきれいさから、どんな物かと思っていたので偶然見ることが出来て感激だった。
天球儀、渾天儀が立体なのに対して、アストロラーベは丸い金属の平面に色々な線や模様が刻み込まれていて、正確な観測と多彩な用途があるそうだ。
別のものだけれど、アストロラーベが載っていたサイト
http://www.kahaku.go.jp/special/past/italia/ipix/b2f/7/b.html
最後のセクションはドイツ・ロマン主義絵画で、代表的なカスパー・ダーヴィッド・フリードリッヒの作品は、大自然の崇高さ、それに寄せる畏敬の念を感じる。
風景画に精神性や文学性を封じ込めた感があり、独特な静けさは魅力的だ。
フリードリッヒ「月を眺める2人の男」
見る機会のなかったドイツ・ロマン主義の絵画を、まとまった形で見ることが出来てとても興味深かった。
「ドレスデン国立美術館展」
“アストロラーベ” に対して1件のコメントがあります。
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ドレスデン国立美術館展は、今日までだったような気が・・
気になっていたもののとうとう夏の暑さに負け、秋になり、そして行かずに終わってしまいました。(ってもう完了形になってる。)
ルーブル美術館展などよりもずっと見ごたえがあったであろうと、だいたい予想はつきますが、やっぱりそうでした?
フェルメールの絵もでていたようですね。それにしても、デューラーの版画があったとは!やっぱり行かないで損したかも。
赤ん坊が鷹にわしづかみにされて連れ去られる絵、中学生のころ上野に見に行ったときも日本に来ていました。強烈な印象だったので、今でもよく覚えています。