チューリップ

今、ベランダのチューリップが満開だ。

去年は球根を植えそこねてしまって、今年になってから芽を出したものを買って植えた。

ポットに色別の写真がついていて、紫、白、黄色、それと・・を買った。

それぞれ成長して、めでたく咲いている。

咲く前の、まだ青い蕾のころのチューリップも好きだ。

柔らかそうだけれど、しっかりしていて、エネルギーが詰まってる黄緑色。

可能性の塊のよう。

プルーストの『失われた時を求めて』の中の一場面。

同棲をはじめた恋人アルベルチーヌが、うたた寝をしているのを見つけた主人公・・

故意にそんな姿勢をとろうと思ってもとれないような自然な姿勢で、ながながと私のベッドに横たわっている彼女は、花をつけた細長い茎をそこにおいたように見えた。

私が文章を読んでパッと想像したのは、薄いピンクのチューリップ。

読む人によって想像する花は違うと思うけれど、私は柔らかな曲線を描いたチューリップだなぁ。

実は、今までに何回かチューリップを描いたことがある。

正直本当に難しくて、満足できた作品がない。

単純かつ立体的な形。鮮やかな花の色、茎や葉の厚みと力強さ。等々。

どこかで、「釣りは鮒に始まり、鮒に終わる・・」というような話を聞いたか、読んだかしたような気がする。

さしずめ、私は「チューリップに始まり、チューリップに終わる」かな。

ベランダでは、色ごとにラベルを刺して鉢植えにしている。

ところが、白のラベルの鉢にある一本が、先をほんのりピンクに染めている。

「すみません・・、私、白じゃないんです。」と申し訳なさそうに控えめな態度。

「いいよ、いいよ、私は気にしないよ。」と私は心の中で思う。

安心したのか、どんどんピンクが濃くなり、今では元気なショッキングピンクになっているのだ。

チューリップ” に対して1件のコメントがあります。

  1. ワインちゃん より:

    プルースト全部読んだんですか?!すごい。この前、図書館で立ち読みして、借りようか、どうしようか迷ったんだけど、あ~んまり字がぎっしりで「またにしよう。」と思いました。あの場面、私は、カラーの花を思い浮かべました。チューリップというせんもあり。きっと、kyouさんのほうがわたしよりロマンチックね。

    チューリップって本当に難しいですね。花はそうでもないけど、葉がね。わたしも描きかけがあります。

    我が家のベランダにもチューリップが咲いていますよ!

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