挑戦するための花
去年描いたトケイソウをHPにアップした。今見るとアラばかりが目立つが、まあしょうがない。
私は、この不思議な植物が大好きだ。
複雑で奇妙な形は、一見すると気持ち悪いほどの造形だ。
朝ゆっくりと大きな蕾が開くのを見るのも面白い。
植物も動物のように動くことを、如実に感じることができる。
また、露を留めた開きたての白い花弁は、神秘とはこういうところにあるのだ、と示しているように思える。
トケイソウを目にした欧米人は、この不思議な花をパッシフロラ(パッションフラワー)「キリストの受難の花」と命名した。
彼らは、糸状の副花冠をキリストのイバラの冠に、雌しべは3つの釘に、雄しべは5つの傷跡に見立てた。
キリスト教徒ではない私にとっては、まことに恐るべき想像力としか言いようにない。
しかし私もトケイソウにじっと目を凝らすと、この花の小宇宙に引き込まれ、心は曖昧模糊となる。
見ても見ても分からない・・。私にとっては、そんな花なのだ。
私の描いたトケイソウ(カエルレア)は、朝咲いて、その日につぼんでしまう。
力不足で、複雑な構造がなかなか描ききれない。
たぶん植物画を描いているうちはずっと描き続け、格闘しているだろう。
どこかで、トケイソウの不思議は不思議のままでいて欲しい、とも思っているとしても・・。
“挑戦するための花” に対して1件のコメントがあります。
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はじめまして。足跡からやってきました。
私もトケイソウの不思議な花の構造に魅了されています。
以前植物画を描いてみましたが、kyou2さんのようには上手く描けませんでした。kyou2さんの絵、本当にすばらしいです!