つぶあんVSこしあん
『捨てるVS拾う-私の肯定的条件と否定的条件』 横尾忠則 (NHK出版)
横尾氏の「肯定的条件」「否定的条件」(組み合わせは気分的だそうだが)を延々と並べ、所々にコメントが入っているという形式。
単純だけれど、凄く面白い。なので、いくつかピックアップ。
「肯定的条件」 「否定的条件」つぶあん こしあん
偽悪 偽善
インテリはよく偽悪ぶる。金持ちはよく偽善ぶる。平等 平等主義
紆余曲折 トントン拍子
絵空事 絵画
黄昏 暁
天才 秀才
凡才 夭折
ロマンチック センチメンタル
紅茶 コーヒー
無頓着 関心
無頓着でいるぐらいの方がいい。いちいち人や対象に関心を持つと、相手も関わってくる。ペインティング ドローイング
筆づかい 色づかい
素っ裸 丸裸
素っ裸と丸裸とどちらがセクシュアルだろうと考えてみた。(中略)
するとやはり意図的に裸になった素っ裸の方がセクシュアルだ。でも丸裸にされた者の方がエロティックかも知れない。芸術 思想
絵画 コンセプチュアルアート
命日 誕生日
向こうの世界からいえば命日は誕生日、向こうからこちらを見る視点は芸術の視点だ。
う~ん、と唸ったり、プハッと笑ったりもできる。もちろん流石に「凄い!」とも思った。
横尾氏の油絵は強烈すぎて好きじゃなかったが、これからは見方も変わりそうだ。
私はこしあんが好きだな。池田満寿夫はこしあんとのこと。
ペインティング、ドローイングは、ドローイングが好き。
平等、平等主義は私も平等が○ 平等主義は不公平だと思う。お手つないで、みんなでゴールの愚を連想する。
一気に読めるが、内容は広く深い。横尾忠則という密林を見た思いがした。