徒 然 日 記

04/4/30(金)

今月もぎりぎりに、セリンセ・マヨールをUP。先ずは一安心。って先月も同じ事言っていたと思う。
園芸店で初めて見つけて、葉がエビみたいにくるりと重なっているところや、微妙な色合いの葉が面白くて一目惚れ。
花の形もユニークで描いていて楽しかった。でも1枚目は下書きの鉛筆デッサンを焦って描き上げたのが祟って、彩色で行き詰まり破ってしまった。これは2枚目。気を取り直してデッサンからやり直して良かった。
毎回UPするときに、花の名前等のちょっとした説明を入れているけれど、これが結構大変だ。
図鑑や資料によって科が違うことさえある。名前も、学名、和名、英名、俗名と色々あって混乱する。
ネットの園芸店のサイトや個人のサイトを覗いてみても、それぞれに微妙に記述が違う。園芸品種に至っては数限りなくあるので特定するのは困難。私も出来る限り正確に自分の描いた植物を説明したいのだけれど、多分間違っていることもあると思う。(言い訳がましいσ(^_^;)?)
でも調べながら、ほぉ〜そうか〜と思えることに出会うと嬉しいものだ。

さぁUPも終わったことだし、連休を楽しまなくっちゃ!


04/4/27(火)

『絵画を読む』若桑みどり(NHKブックス)読了。
イコノロジー(図像解釈学)に基づいて作品を鮮やかに解読、絵画に対する興味が一層深まった。
著者はイコノロジーとは、画面の上の色や形から知覚、感覚的に何が描かれているか「主題と意味」の認知から始まり、最終的にはその作品を成立させているもろもろの因子(歴史的、社会的、文化史)を総合的に再構成して、作品の「本質的な意味」を探索することとしている。
具体的に12作品(カラヴァッジョ「果物籠」、ボッティチェリ「春」、フラ・アンジェリコ「受胎告知」、ブロンズィーノ「愛のアレゴリー」ブリューゲル「バベルの塔」など)をあげて一つずつ丁寧に読み解いていく。知らなかったこと、気づかなかったことばかりで好奇心でワクワクする。巻末に参考文献が載っていて、あぁ、あれもこれも読まなきゃならん、と思うことしきり・・

優れた絵画と対峙したら−敏感な感性とメッセージを正しく受け取れる知性−これが必要だと思った。


04/4/21(水)

『脳男』首藤瓜於(講談社文庫)読了。
久しぶりに先日ブックオフに行った。その時『ハサミ男』が面白いと聞いたことを思い出し、何となく同じ作者のものかと思って買った『脳男』105円。裏表紙にも“全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱歩賞受賞作”とある。
家に帰ってよく考えてみたら、『ハサミ男』は殊能将之じゃん・・しかし、結果オーライでとても面白かった。
身長190センチ、体重120キロの巨漢、茶屋警部は連続爆弾犯のアジトで犯人と揉み合う鈴木一郎を捕まえる。しかし男が共犯者であるか否かはもとより、本人の素性が全く見えてこない。
男は愛宕医療センターに入院し、医師 鷲谷真梨子に精神鑑定を受けることとなる。真梨子は検査を進めていくうちに、ごく普通の人間に見えるこの男の驚くべき特質に気づく。そして突き動かされるように、真梨子は男の正体を掴むために奔走する。
そんなある日、茶屋警部が鈴木一郎と面会しているまさにその時、病院内で爆発音が轟く・・連続爆弾犯による犯行か!?・・
兎に角、この男の特異性(並はずれた能力と欠陥とでも)がこの小説を支えているわけで、切り口の面白さでぐんぐん読めた。


04/4/18(日)

『スナーク狩り』宮部みゆき(光文社文庫)読了。
一気に読ませる長編サスペンス。ある夜、関沼慶子は正装して結婚式に出向く。しかも散弾銃を携えて。新郎新婦が雛壇に戻るまさにその時、彼女は自分を捨てた新郎 国分慎介を・・
同夜、釣具店員 織口邦男は慶子の銃を奪うために、彼女の帰りを待ち伏せしていた。銃が必要な理由とは・・
さらに時を前後して、織口を父と慕う佐倉修治は、彼と別れた後、その言動に引っかかるものを感じつつ、ある女性と会っていた。
それぞれ全く別の目的で行動していた彼らが、事件に関わっていきやがて一つ場所に到達、衝撃の展開となる・・。スナークとは何なのか。人間の暗いマグマのような負のエネルギーとそれを冷静に見る自分。均衡と衝動。人間の深さに心を打たれた。
織口と偶然遭遇する親子の存在が印象的だ。宮部みゆきは、子供の使い方が上手いなと思った。


04/4/15(木)

『淋しい狩人』宮部みゆき(新潮文庫)読了。
東京の下町にある「田辺書店」。店主のイワさんと孫の稔が切り盛りする古本屋さんだ。表題作を含め6編全て本が切欠となって謎が生まれ、事件が起きる。
父親の遺品整理で見つけた本、「田辺書店」で男の子が万引きした本、電車の網棚に置き忘れた名刺の挟まった本などなど。
65歳のイワさんと高1の稔の微笑ましい関係とは裏腹に、起こる事件は厳しい現実を見据えたものだ。その絶妙なギャップが読ませる。主人公のイワさんが自然体だ。好々爺でもなく偏屈爺でもない。実に常識を持っているし、登場人物と交わす言葉も愛もあれば、計算もある。人生を重ねた分、思いやりと知恵がある。こんな古本屋さんの常連になりたいものだ。


04/4/13(火)

『玉子魔人の日常』高橋克彦(中公文庫)読了。
81編からなるエッセイ集。玉子魔人とは、無類の玉子好きの本人が言いはじめたあだ名。なんと物心ついた頃から40数年、日に最低3個としてもゆうに5万個は食しているとの事。
また、氏には怖いものがいくつかある。先ず水が怖い、黄昏が怖い、飛行機が怖い。黄昏時は心がざわざわするし、迫ってくるようなぎりぎりの感じがあるので、分かるなぁ。横溝正史の『真珠郎』の中で、夕焼けの雲の中に偶然に形作られたヨカナーンの生首・・なんてのもあったような。
前半は、そんな玉子魔人の過去と現在の記、そして創作活動について等々。
必見は、「海外ミステリーベスト50」ワクワクするようなミステリーが目白押しに紹介されている。一例を披露すると(ちょっと長いけど引用)

★名探偵群像(マシスン)<創元文庫>
 これはジャンルで言うと歴史推理にはいるのだろうか?なにしろ探偵役をつとめるのはアレキサンダー大王を初めとして世界史の有名人ばかりなのだ。日本でも文豪ミステリーとか、この手の作品が増えてはきたが、事件の謎に加えて、その人物に関する興味も重なって、これで面白くないわけがない。短編なので重厚さには欠けるが、喫茶店などで時間を潰す時には絶好の作品。本格推理でもたれた腹にはちょうど良い。遊び心に満ちた佳品。これを読んでミステリーファンになった友人を何人か知っている。

てなことを言われて読まずにいられましょうか?
後半は「浮世絵」のことについて熱く語っている。特に、明治の浮世絵の魅力と不当な下方評価について、また情報メディアとしての浮世絵の位置づけと解説が大変興味深かった。


04/4/5(月)

3月末にラナンキュラスをUPして、開放感全開でぼ〜としてたらもう5日で。
『フェルメールの世界』小林頼子(NHKブックス)読了。
楽しみにしているフェルメールの「画家のアトリエ(絵画芸術)」を前に、下調べを兼ねて読んでみた。
副題に「17世紀オランダ風俗画家の軌跡」とあり、フェルメールが同時代の画家達の作品や、社会の動きと密接に関わり合いながら、如何に自己変革を繰り返し、あの「静謐な画面」に至ったかを示している。
著者は、謎と美辞麗句が付きまとうフェルメール批評に対して、平明で、具体的な分析こそ必要であるとし、本書もその趣旨に添った内容になっている。
特に印象に残った箇所は、第4章「単身像の風俗画を読む」で、何故フェルメールの絵が独特な静けさを持っているのかを、カラヴァッジスト、レンブラント、「祈念画」(宗教画の一種)との関連で解説しているところ。「行為の欠如(静止)が、行為に随伴する感情的な経験を持続させる」がキーワードとなって読み解いていき、絵画における独特な「絵画的時間」に言及する。
また、有名な贋作事件、絵画の真贋の鑑定の話などフェルメールに纏わるやっかいな事情も興味深い。
本書に先行して、著者は『フェルメール論〜神話解体の試み』を上梓しているので、そちらも是非読んでみようと思った。


3月 5月