徒 然 日 記

03/9/30(火)

アメリカンブルーをUP。(10/1 やっぱり納得いかないので、下げました。)やや逆光気味で平坦。でっ!次回作ガンバロー(^O^)/
「浮世絵鑑賞事典」高橋克彦(講談社文庫)読了。楽しかったの一言ですね。 何も考えずに、初めて知る絵師の名や誰でも知っている傑作を眺めつつ、高橋氏の浮世絵に対する愛情のこもった文章を読む。筋を追う気兼ねもなしに引き込まれていく・・。
浮世絵の基本的な知識を分かりやすく丁寧に教えてくれ、なんだか浮世絵がずっと近くに感じられましたね。


03/9/28(日)

昨日、古本屋で高橋克彦の文庫本「浮世絵シリーズ」3冊と「浮世絵鑑賞事典」計4冊を700円で買った。ラッキー。浮世絵シリーズは図書館で借りて読んでいたけれど、またきっと読むと思うしね。「浮世絵鑑賞事典」をぱらぱらと見ると、好きな栄之の「青楼芸者撰」がカラーで載っていた、お〜やっぱり。この絵いいもんね、今から読むのが楽しみ。
「シェル・コレクター」アンソニー・ドーア(新潮クレスト・ブックス)読了。孤島で一人貝を拾う盲目の老貝類学者の話。何より自然を観察する著者の目がすばらしく、それを実に透明な言葉で綴っている。自然の形態の美しさが、素直に伝わってきて貝殻が描きたくなった。普通の町中に住んでいる身としては、大きすぎるような天然を感じた。



03/9/24(水)

「まっぷたつの子爵」イタロ・カルヴィーノ(晶文社)読了。何となく題名が気になっていた本で、内容を知らずに読み始めたら大当たり、とても面白かった。
時は1716年、トルコ対オーストリアの戦争で、「ぼく」の叔父メダルド子爵は、大砲に打たれて左右まっぷたつになる。命からがら故郷に戻った右半分は極悪な性質しかない「悪半」だった・・
弾圧を受けたユグノーたちが住む「寒さが丘」、癩患者たちの住む「きのこ平」など象徴的な場所があり、物語に厚みを加えている。法螺話のようであり、寓話のようでもありの不思議な魅力。
常に相反する自分が存在し、矛盾とともに生きなければならないという暗示。



03/9/21(日)

「贈る物語 Terror」宮部みゆき編(光文社)読了。宮部みゆき自身の好きな、極上の短編恐怖小説のアンソロジー。文句無く面白かった!
本書のコンセプトは、今さら取り上げるのも恥ずかしいような有名作品を採録したアンソロジーでも、それが入り口となる幸運に恵まれるのでは。というもの。
さすがにどの作品をとっても、読む面白さを満喫させてくれるものばかり。特に印象に残るのは、友人の死の真相を探ってゆくディヴィッド・マレルの「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」、絶望的な未来世界を描いたフィリップ・K・ディックの「変種第2号」、牧歌的であることが、かえって怖いシャーリー・ジャクスンの「くじ」。
本書の意図にしっかりハマって、この作家の別の作品が読みたい、と思える作家に沢山出会えましたね。



03/9/17(水)

「変身の恐怖」パトリシア・ハイスミス(ちくま文庫)読了。旅行先のチュニジアで、アメリカ人小説家が現地の老人を殺してしまう。風土、社会、モラルの違いから、殺人を殺人と感じなくなってくる心の変身を描いている。そして殺人を巡り、登場人物たちに微妙な心情の変化が生じる。
異国の風が伝わってくるような描写は、さすがに生涯6カ国に暮らしたことのある作者ならでは。
でも私は「殺人者の烙印」の方が面白かったかな。



03/9/15(月)

14日、ホームページの新アドレスへの移行が完了しました。リンクを貼っていただいている方には、面倒をおかけして申し訳ないです。
プロバイダーからの通知を受けたのは、7月末だったか。HP立ち上げて2ヶ月くらいだったからショックで、全く寝耳に水とはこのことだ〜と。
ところが!完了してほっとしていると、パソコンが動かなくなってしまった。再インストールをするもメーラーだけが上手く作動せず、昨日までの1ヶ月分のメールがすべて(昨日受信した分も)消えてしまいました。返信の必要のあるメールもあったと思うと心配です。それから親しい人からの大切なメールも消えて無くなってしまいました。はぁ〜っ。
正に一寸先は闇です!今後はこまめにバックアップをとっておこうと思いました・・。もしかして失礼をした方がいらっしゃったら本当にすみませんでした。さすがにガックリきています。



03/9/12(金)

「詩人たちの世紀」新倉俊一(みすず書房)読了。20世紀の東西の偉大な詩人、エズラ・パウンドと西脇順三郎を中心に詩論、文学論を展開。「詩」はほとんど読んだことがない門外漢の私だが、興味深く読めて勉強になった。両氏がともに東洋と西洋が融合したような詩を作っている事を初めて知った。ギリシア的叙情と老荘思想、ダンテと芭蕉など、グローバルなスケールで世界文学が二人の詩に存在する。現代詩の入門書−という感じでした。
そういえば学生の頃、現国で西脇の詩があって、先生に解釈をきかれて答えたら、「全然違います」みたいに言われたことあったなぁ〜。授業で読んだ詩で好きだったのは、萩原朔太郎の「月に吠える」でしたね。



03/9/8(月)

記憶シリーズの第三弾「蒼い記憶」高橋克彦(文春文庫)読了。直木賞の「緋い記憶」、「前世の記憶」と続く、お気に入りのミステリーシリーズだ。些細なきっかけで掘り起こされた記憶、手繰っていくと必ずそこには封印されていた真実がある。・・とまぁ、皆そういう展開で話が進んでいく訳だけれど、どれをとっても怖くって、悲しくって、懐かしい。人間って不可思議な生き物だと思う。
今、アメリカンブルーを描いている。あの青がさらりと透明に描けたらいいけど。・・(-_-;)難しい!



03/9/6(土)

今夜は、NHK教育TVで養老孟司の特集をやっていたので、さっきまで見ていた。「バカの壁」を軸に構成されていて、養老好きの私にはとても嬉しい番組でした。何事も型にはまった考え方をせず、自分自身も型にはめず、「自由」を楽しめる強さと自律があって、やっぱりスゴイ人だなぁと思う。
「殺人者の烙印」パトリシア・ハイスミス(創元推理文庫)読了。兎に角面白い、どうなっていくのか早く先が読みたくてたまらなかった。
作家のシドニーは妻アリシアを妄想の中では何回も殺している。ある日、作家的興味から殺した妻を絨毯にくるみ、森へ埋めに行く夫の役をやってみる。それを運悪く隣人が見てしまう。さらに周知の夫婦仲の悪さと現実のアリシアの失踪から、周囲は彼に対して妻殺しの疑惑を持つ・・。追い込まれていく心理は、先に読んだ「見知らぬ乗客」と同じくする。作家であるシドニーが、追い込まれる容疑者を半ば恐怖、半ば興味を持って体感しているのが面白かった。ラストもなかなか、最後まで緊張感がありました。



03/9/3(水)

ダチュラをやっとUP。面白いトゲトゲの実がついて、描き始めてから結構時間がかかってしまった。本当は実の断面図を入れようと思っていたけれど、まごまごしている内に腐ってしまってあえなく断念(T_T)ダァ〜
「世界の終わりの物語」パトリシア・ハイスミス(扶桑社)読了。狂ってしまった人間、自然環境など、現代社会の諸問題をいかにもありそうな話に仕上た短編集。苦笑したり、ぞくっとしたり、不気味だったり・・とにかく一気に読ませる。
国連の援助委員会を迎えるアフリカの独裁国家の仰天の結末、超豪華高層マンションでのゴキブリ対人間の戦い、福祉政策、介護施設によって死ねない200歳の老女、無能な大統領が引き起こす地球の終焉・・等々。
中でも死ねない老女が登場し、高齢者問題を扱った「見えない最期」は凄みがあった。“われわれはみな、お互いのために死ぬべき潮時があるということを、腹の底では承知しているのではないだろうか?”というのは紛れもない事実だ。
冷酷な社会風刺はブラックユーモアというには重く、虚無感すら感じた。先に読んだ短編集「ゴルフコースの人魚たち」よりさらに人間嫌い、厭世的になっているような気がした。



03/9/2(火)

今日は、渋谷のBunkamura Galleryに建石修志展を見に行った。中井英夫、久世光彦の挿し絵、「幻想文学」の表紙など「本」でしか見たことがなかったので、原画を見ることができて心底嬉しかった。緻密で堅牢、静謐な画面。ハッチングの一つ一つが美しかった。今日一日ははこれで全て満足。
「真説 謎解き日本史」明石散人(講談社文庫)読了。色々あったが、「悪いのは浅野内匠頭だ」が一番面白かったかな。要するに、芸、作法のソフトは有料であり、それを所有していた吉良上野介は、浅野に教えるに当たり料金を取るのは当たり前で、無料で申し受けようとした浅野側にこそ問題がある。という事。「浅野内匠頭と吉良上野介の人気が完全に逆転するまで、日本人は結局ソフトが何であるか理解できないような気がします」と登場人物(?)に言わせているのがオチ。



8月10月